第6話生徒それぞれ

田辺はほろ酔い気分で、保健室を覗いた。

生徒の気配がする。


「あんあん、、、もっと激しく」

そう言われた男子生徒は、保健室のベッドでもう1人の男子生徒の身体に覆い被さり、腰を激しく振っていた。

松原孝太と竜上たつがみ聡の2人だった。

「お前ら、ゲイだったのか?」

そう田辺が言うと、さらに竜上は腰を激しく振った。

「あんあんあん、聡、僕イキそう」

「オレもだよ」


田辺は2人が果てるのを待った。

松原と竜上は田辺の存在に気付いていたが、別に怖がる様子はない。

床には、小さな小瓶に入った錠剤が転がっていた。

小瓶の文字から、この錠剤は違法ドラッグだと理解した。

松原は、よだれを流しながら竜上のピストン作業に感じているようだった。

間も無く、2人果てようとした。

田辺は、コルトガバメントを竜上の背中に突き付けた。


「聡、僕イッちゃう」

「オレもイク~」

2人は精液を大量に放出した。


パンッパンッパンッ


果てた2人を田辺は撃った。背中に突き付けられていた竜上は即死し、ベッドから転げ落ちた。松原は、まだ息をしている。

「せ、先生もオレとえ、エッチしない」

「そうだな、咥えてもらおうか」

そう言うと、田辺は松原の口の中にコルトガバメントを咥えさせ、引き金を引いた。


違法ドラッグが高校生の間でも流行っていることを実感した田辺は、今後の日本を悲観した。

順調に生徒の狩りを進めている。体力が無いから、暫く保健室のチェアに座り、スキットルのウイスキーをチビりと飲みながら、タバコを吸った。

さっき、久米田の肝臓を食べたので、腹はすいてない。

30分程休憩してから、プレハブ小屋の体育倉庫に向かった。


倉庫のドアには、鍵がかかっていた。

生徒がいる。田辺はガラスを割ると催涙弾を投げ込んだ。

……反応が無い。

ガラス窓からガスマスクを装着して、体育倉庫に侵入した。出入口を解錠し開いた。

薄暗い倉庫無いが明るくなった。


わっ!


田辺は一瞬、声を上げた、

桜井誠と郡山こおりやま美樹が首を吊っていた。2人とも、舌が垂れ下がっていた。

お互いの小指に赤い毛糸で結んで繋げていた。田辺は、2人をロープから外した。

桜井と郡山の死体を並べた。

珍しく、田辺は両手を合わせ合掌した。

彼の目には涙が光った。

狂った殺人マシーンも、人間なのだ。いかに殺人強壮剤が含まれたタバコを吸っても、普段平和的な人間には、100%効果が出るわけではない。

上等過ぎる心を持つ田辺は、「心の授業」の存在を問題視するも、同じく殺人強壮剤の含まれるウイスキーを飲み、喫煙すると、次の獲物を狩りに体育倉庫を後にした。


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