第5話肝臓の味

その時だ。

割れたガラスから何かが放り込まれた。


催涙弾


化学室内の生徒4人は窓を開け換気をしたが、目からは涙が落ち、呼吸も苦しい。

げほげほ、言いながら餅原は火炎瓶を田辺に投げつけようと振りかぶった。

田辺は、その火炎瓶を狙いコルトガバメントで撃った。

餅原は火だるまになった。

「た、助けて」

と、言うのが精一杯で、慌てて吉川は消火器で火を消した。

餅原の顔は焼けただれていた。もう1人、久米田は硫酸の瓶を手にしたが、床に落としてしまった。

ガスマスクを装着した、田辺は火傷した餅原の将来を思い頭を撃った。

そして、硫酸を床に溢した久米田に向かって、ボーガンを構えたた。吉川、丸山、久米田は化学室から逃げ出そうと出入口に向かったが、久米田はギャッと言うと転倒した。

吉川も丸山も立ち止まらず、走って逃げた。

久米田の首にボーガンの矢が刺さっていた。


田辺は、久米田の制服を荒々しく脱がし、サバイバルナイフで久米田の腹を裂いた。

切れ目から右手を突っ込みある臓器を取り出した。


肝臓


田辺は家庭科調理室に移動し、肝臓を水道水で洗い、水気をとり、調理室の冷蔵庫から、ニンニク、ポワロねぎ、塩コショウで味付けして、小麦粉をまぶし、フライパンにバターを入れてソテーした。

「いただきます」

人間の肝臓は匂いがきついが、ニンニクが効いていて、旨かった。これに、味を占めた田辺は生徒の肉を食べる事にした。

30分タバコを吸わなくても、手の震えも罪悪感も湧かなかった。

でも、食後の一服をした。

「ご馳走さまでした」

田辺は両手を合わせた。真っ直ぐ、放送室へ歩いた。


ピンポンパンポン


「え~、皆さん報告です。開始1時間で、相沢さん、久米田さん、餅原さんが死にました。後の26人は頑張って逃げてね」


田辺は、国支給のウイスキをスキットルから1口飲んだ。

「さてと、狩りに行きますか」

放送室を後にした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る