第4話生徒の罠
弓道部部長の中川は、原口、広瀬とチームを作り、話し合った。
「田辺先生、僕たちも殺すのかな?」
と原口が言うと、
「さっき、二階の廊下に女子の死体があったぜ」
と中川。広瀬は黙っていた。
「どうにかこのデスゲームを終わらせたい。でも、丁寧に指導してくれた田辺先生は殺せない。命は取らないまでも、田辺先生に生徒を殺せない身体にする」
「中川、一体何を考えたんだ?」
「罠だ。あちこちに罠を張るんだ」
「今から、部室までダッシュだ!出来るだけ、弓と矢を校舎に運び罠をかけて、田辺先生に大ケガを負わそう」
飲み込みがいいな原口。
広瀬は、
「段々暗くなる、日没まであと3時間だ。急ぐぞ!」
3人は辺りを警戒ながら、部室に向かい、作業に取り掛かった。
化学室。
そこには2人の男女がいた。
吉川純也と丸山いずみの2人である。このカップルは相当偏差値が高く、最高学府も狙える。
そこで、丸山のスマホに友人2人が向かっているらしく、早く来いと返信した。2人は劇物の保管庫を器用に解錠し武器作りを開始した。爆弾、火炎瓶などだ。
田辺は、自販機でコーヒーを買い化学室へ向かう最中、一服した。
タバコを吸い、恐ろしい殺人マシーンと化した。
再び、化学室に向かう。
化学室の扉が開いた。無施錠だった事を忘れていた。
吉川は火炎瓶を構えた。だが、辞めた。入って来たのは、久米佳代子と餅原利香だった。
「良く、無事で来れたね」
と、丸山が言うと、
「田辺先生は、こっちに向かっているわよ」
「よし、皆、火炎瓶を持て!トアが開いたら田辺に向かって投げろ」
「うん」
皆は化学室のテーブル席の後ろに隠れた。
「なぁ、いずみ。今までありがとな。大学行きたかったけど、死んだらゴメン」
「純也、私たちは生き残るの」
2人は、近付きキスをした。
その時だ。化学室のドアを開こうとしている音が聞こえた。
ドアには、施錠してある。
ガタガタと音がする。暫くすると音が消えた。と同時に窓ガラスが割れた。
生徒は火炎瓶を構えた。いつでも投げられる。机の隙間から観察していた。
次の瞬間だった。
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