第2話スタート
10月某日、いつもの様に朝礼が始まった。
「タナベ~、なんでこのクラス以外は登校してないの?」
「そうだよ、田辺ちゃん理由を教えてくれよ!」
田辺は、大きく咳払いして板書した。
白チョークで、「命の授業」と。
「ウソだろ?な、先生」
「まっさか~、先生はオレ達を叱れないぐらい屁たれなのに、オレ達を殺せるの?」
次々と生徒は、田辺を口汚く罵った。
「今年の生徒は問題児ばかり集めた2年C組の皆に死んでもらう」
「バカか老害」
田辺は無視して板書した。
「はい、静かに。後、1時間後から24時間この学校の敷地内で隠れて下さい。先生が君たちを見付けたら即、殺します。24時間逃げきった生徒は、国から1000万円君たちに支給されます。ま、君たちは未成年者だから保護者の銀行に振り込まれますが。君たちは逃げるか、私を殺すかのどちらかで決着します」
田辺は例のタバコに火をつけて吸った。
「最悪、田辺のじいさんよ~、タバコ吸うの辞めてくんない?クセ~んだよ老害」
「だから?」
「てめえ、人の話し聴いてんのか?」
男子生徒は田辺の胸ぐらを掴んだ。
「
「黙れ、老害」
その時だ、一瞬光るモノが見えた。
田辺が手にしていたのは、ミリタリーナイフであった。
昇と呼ばれた生徒は、首筋から噴水の様に血液を噴き出している。
教室内に悲鳴があがる。
田辺は返り血を浴び、メガネを拭きハンカチで顔面の返り血を拭きとり、ネクタイを巻いた白いワイシャツは真っ赤に染まった。
昇は目を見開き、絶命した。
「皆、理解したかな?1時間後に皆を探して殺すから早く逃げなさい。後、校外に出たらダメだよ!自衛隊のお兄さんに撃ち殺されるからね」
生徒は、皆、駆け足で教室を出て行った。
田辺はタバコを吸い終わると、昇の頸動脈から噴き出した血溜まりにタバコを落とした。
タバコはじゅっと、音を立てて火が消えた。
田辺はロッカーを解錠し武器を身体にまとった。
4月に撮影したクラス写真には、笑顔の田辺とまだ、あどけない顔つきの生徒が写っていた。それを彼はビリビリに破り捨てた。
かわいい生徒を殺すのは少し気が引けるが、昇の死に際を観察すると、実に爽快感があった。
田辺は誰も居ない、職員室でタバコを吸いながら、1時間待った。
そして、放送室へ向かった。
ピンポンパンポン
「えー、皆さん準備は宜しいでしょうか?ただ今から、ゲームを開始します。さっき昇を殺したので29人の皆さんが全員逃げきる事を願っています。……否、クソガキども、この私が皆殺しにしてやる」
ゲームはスタートした。
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