第3話 私の望み

「本当にそんな物で良いのか」


私はハンバーガーを食べていた。


「望めばどんな料理も出てくるんだぞ」


「良いの!これが良いの!本当に死神ちゃんは食べなくて良いの?」


「ああ。私は物を食べない」


表情は分からないが、おそらく呆れてそうな死神を横目に私は久しぶりのハンバーガーを堪能していた。


「次はあのお城のような所に行きたい!」


町の奥の方に遠くから見えるほど大きな城があった。


思った瞬間には建物の中に移動をしていて、宮殿のようなゴシック様式の見事な建築に感嘆をしていた。


それから町をただ歩いたり。

一緒にベンチで話したりもした。


たが、死神には不満なのだろう。

ずっと時間は有限なのだと言いたそうにしている。


特別な事はない。ささやかな願いこそが、誰かと一緒に同じ事をする事が、私にとって一番楽しかったのだ。

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