第17話 誰も知らない、もう一つの使命①

中筒は、イライラしていた。それもそのはず。りおが、帰って来ないからだ。


話し合いをするも、必ずその場にはミナカヌシ様が登場するからで。


中筒直々に上げてやる事は勿論できる。それでも、毎日のように、上げるべきだと言う意見とは別に、待ってほしいとの声。


そんなのは無視してでも、上げてやるべきと言うのは、俺達仲間だった。



そんなこんなで時間ばかりがどんどんと過ぎ、別のグループであるチコとの出会いを果たすのである。


当時からチコは、様々な問題を抱え苦しんでいた。りおは、ご霊界からの誘導に従い、チコをこちらの世界に繋げ、帰るべき処である神々との橋渡しをしたのだ。


その様子等を見ては、りおに理想を感じ、次々と霊界側と、現実側の双方から誘いがやってくるようになる。


その能力を使わせ、人々の為にと。



シヴァ「冗談じゃねぇぞ!!

りおをなんだと思ってんだ!!」


怒りを顕にするのは、やはりシヴァだ。だが、皆が同じだった。


現実的にも、りおの置かれている状態は厳しいものだった。


時間を追えば追うほどに、りおの持っている物は削られていくのが見てとれる。


そして、やって来たのが、ジャンだ。


このジャンは、シヴァの兄にあたり、また、りおの兄でもある。


アリオスですら、ジャンの存在など知らなかったわけで。



ジャン「見てられない!何しているんだ!」


当然なわけで。。。


ジャンは、りおを自分が上げるつもりで来たと告げる。


アリオス「父さんに兄が居たなんて、ついこの前知ったばかりだ。。。


それにしても似てない・・・ホントなのか?」


シヴァ「ホントだ。ジャンは、俺の兄にあたる。俺達とりおの出生には、まだまだ、知らされていない事がある。」


俺、アリオスは嫌な感じしかなかった。。まだ、何かあるのか。。。


俺ならまだしも、りお・・・。


りおが寝静まったのを確認し、俺は、父さんとジャンに連れられて、ミナカヌシ達がいる創造神達の元へ。



ミナカヌシはジャンが来ることを分かっていたかのようだ。


神々が出迎え、俺達は、その前に座る。


ワンネス「息子たちよ、よく来た。」


シヴァ「よく、来ただと?

ふざけんな!! どう言う事なのか、説明しろ! りおをなぜ上げない。なぜ、俺達の行く手を邪魔するんだ!」


ミナカヌシ「落着きなさい。シヴァ。」


シヴァ「これが、、」父さんが言いかけた側からジャンが止めた。


俺は不安でならない。まだ、何かあるのか?何をさせるつもりなのか。。。


ジャン「父が、俺をりおの元へ行くよう知らせが来るのも分かっていた。

シヴァ達のやる事に空きがあるのも見えていたからな。

りおを上げてやりたい。身体は勿論だが、精神、魂の部分が悲鳴をあげてきている。」


ワンネス「ジャン、りおを上げる為の準備はできている。一緒にいた、ひかり達と、離れさせたあたりからな。

イザナキ達も帰りを待ち、次の仕事すらも準備ができているのだ。」


アリオス「次の仕事?、、、」


ジャン「こちらでの仕事だ。イザナキ様方々が既に待たれており、勿論、お前達や、中筒も一緒にだ。」


闇と光か。。。


ジャン「では、なぜですか?

まだ、上がる前に、しなければならないことがあるのですか?」


ミナカヌシ「ジャン。わかっているでしょう。まだ、りおの周りにいる善の顔した悪を。」


アリオス「な、なんだ?まだ敵がいるのか?」


ジャン「そうだ。それは、分かっている。りおを守りながら、種族同士の争いにピリオドを打たんとしている者がいる。それが、不動明王様一族だ。」


アリオス「お、お不動様?!」


シヴァ「あぁ。お不動様は、只の不動明王ではなく、宇宙からの種族だ。勿論、許可ありきで地球に来ている。」


アリオス「父さん、、、いったい。。」



すると、、、


「おい、おい、水臭えぞ!」


振り向くと、須佐之男命・・・だけじゃない!


アリオス「みんな!」



須佐之男命「抜け駆けかよ!!」


ロビン「俺達は、仲間だろ。チームだ。」


そこには、中筒をはじめとする、光の仲間達が来ていた。


中筒「なぜ、私を呼ばぬのだ?」


アメ「ちょっと!私だって、仲間の一人よ、アカルヒメや、ひぼこも連れて来たわよ。」


ひかり!!ひかりもか?!


ひかり「私だって、光のグループだもん。聞く権利あるわよ!りおはわたしの妹同然なんだから!」


ミナカヌシ「おやおや、揃いましたね。光のグループ。


そして、聞いていますね、宇宙側の方々。」


ジャン「降りてこいよ。」


ジャンに言われるまま、降りてきたのは、、、見たこともない姿の連中と、、同じような、姿をしている者達だった。


ジャン「宇宙からの守護者達だ。

代表で、真っ白な姿なのが、ウィル、で、こっちが、俺と同じ名前のジャン。」


アリオス「ジャン?、、ってまさか、りおの父親にあたる?、、いや、正確には、違う、、血をミュレにあげた父でもある。。。あのジャンか?」


ジャンはニコニコしていた。


「確かに正確には、ミュレの父だね。僕は。何度か皆さんとも話をした事もあるね。」


ジャン「あらためて、はじめまして。。。だね。」


須佐之男命「役者は、揃ったんだ!

始めようぞ! カイムだってジャンを通して聞いているんだろ。光の仲間だからな。」


メンバーがその場に座り込む。


これが、チーム。。。



中筒「では、お話頂こうか。


創造神方々。。。」



中筒からの一言により、場が引き締まるのだった。。。

















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