第8話 開かれし、霊能

りおは生まれつき霊能を開花させていたわけではない。


段階を経て開花させた。


まずは、15歳で予知夢など、夢により、霊界からの知らせなどを見るように。


そして、34歳の時にいよいよ、開花させた。自分で開いたのではなく、開かされたのだ。


りおの神々にだ。


能力の手綱は神々が。


りおは自分では、自分にくる火の粉も祓えず、そればかりか、能力すらもコントロールできない。


全ては神々が握っていた。


又、開きたての頃からりおは低級な霊などに苛まされる事になる。



それは、りお自身の魂が汚れ、そればかりか、世間と言うものの中にどっぷり浸かった状態だからだった。


その開花した能力を権現が利用しないはずもなく。


ヤツは早速、りおの前に現れた。


しかも、「権現」と言う神仏になりすまし、


さも、今まで家族を守り、導いてきたのは、我々だとし、善人の顔をし、りおに近づいたのだ。


そして、権現は自分の下にいる悪の神仏を善の神仏だとし、りおに差し出したのだ。


騙されてはいけない!


善人の顔した、悪霊だ!


そう、なんども、りおに向けて言いたいのに、言えない。。。


権現に操られ、なにも伝えられない自分。。。


あの頃は生きた心地がしなかった。。。



権現達は、りおがまんまと自分達の手に落ちたと感じ、御満悦だった。


いともあっさり、りおは騙され、権現に操られていく。


俺は、何とかして、りおの前に出ようとしたが、父さんに止められていた。


なぜだ?、、、なぜに。


りおの能力はまだ不十分で、内言ではこちら側とは話せなかった。


全ては口を借り、りおの言葉と声帯を借りての話し方しかできなかったのだ。



そうして、開花して暫く後、新たなるキャラクターが登場し始めた。


それは、まるで子供で、しかも、ふざけたような雰囲気な。

話し方も、声すらも、りおのどこの声帯の部分を使っているのか、、、?


そいつは、後にりおに「チリッチ」と名付けられる。



このチリッチ。

神々が降ろした者だ。


まだ内言が出来ない、りおと神々との間に入り俺と父さん達神々との言わば連絡係となった。


それにより、父さんとの意思疎通ができるようになり、りおの能力がもう少し、落ち着くまで、りおとは会話しないようにと指示が出されていた。



一方、権現達は、益々りおを操り、まるでもう、自分達の手の中に入ったと勘違いするまでに至っていた。


やつらの、りおに向けての行動はどんどんとエスカレートしていく。


りおは仕事も上手くいかず、心の中は不安だらけだった。


精神は段々と蝕まれ、不安定になる。


悪霊に、取り憑かれた。


まるでそれと同じだった。


そうして、始まる。


この世を去りたいと言う衝動にかられはじめる。


権現の他に、りおの中心となり出てきていた者がいた。


りおはその者に「早く迎えにきて。」


そればかりを言っていた。


権現は、その者に、りおをもっと自らこちらに来るように仕向けさせろと命じる。


つまりは、自ら命を絶たせようとしていたのだ。


それをなんとか止めさせようと、俺は手を、出そうとするが、権現のガードが堅く、身動きがとれない。


だが、りおはその奴らからの「自ら命を絶たせようとする力」には負けず、そこだけは、こらえているようだった。


それもそのはず、神々は勿論だが、


ロビンが止めていたのだ。


そうはさせまいと。。。



そうして、この権現達の操りが徐々に悪だと明るみになっていくのである。


そう、りおの母親によりだ。


りおの母親が神々として出てきていた連中を次々に、悪い者だと暴いていく。


りおの母親も、神々からの一瞬の知らせにより、気がついていくのだ。


そうして、権現は俺にりおの命を取らせよとする。


それが、あの日の夜の事だった。


りおが布団に入った瞬間にりおの心臓を掴まされた。


必死に抵抗するが、外れない。


気がつけば、


「お前の心臓を握りつぶしてやろうか。」


そう言い、今にも力を加え、握りつぶしてしまいそうになっていた。


そんな俺を止めてくれたのは神々と、ロビンだった。


もう少し力を加えてしまえば完全にアウトだった。


本当に、つくづく自分な嫌になった瞬間でもあり。


自分では、こんなにまでも操られてしまうとは想像もなく、自分の如何に未熟で力不足を感じていた。。。



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