第28話 歴史上の人物の覚え方について
日本史選択の人はわかると思いますが、平安時代はとにかく「藤原の時代」です。藤原道長やら、藤原種継やら、似たような名前が多くて本当に困惑すると思います。今回はその中でも保元の乱で争った忠通、頼長兄弟について名前の覚え方のコツ(?)をお教えしたいと思います。
日本の名前に特徴的なものとして「通字」というものがあります。先祖代々に受け継がれた一字があるのです。代表的なもので言うと執権北条氏の『時』、源氏の『義』などですね。その派生と申しましょうか、先祖代々で一字ではなく、二字を交代で継承している場合があるのです。例えば、三条家という家では実行ー公教ー実房ー公房ー実親、、、といったように『実』と『公』を交代で、名前に入れています。(明治の三条実美も例にもれません)
さて、これは三条家での話。道長、忠通、頼長などの属する御堂流と呼ばれる家柄では頼通以降、『実』『通』を交代で継承しています。さらに、必ず『実』『通』は二文字目に置かれ、〇実さんの息子は親と同じ一文字目を用いて、〇通になるのです。
ちょっとややこしいので、具体的に言うと
頼通ー師実ー師通ー忠実ー忠通ー基実ー基通ー家実ー兼経といった感じです。兼経以降、このルールは適応されなくなりました。(というのも、家実の息子に家通さんがいたのですが、早くに薨御しているので、嫡男は兼経になりました)
そして出てきましたね、忠通!そうです。彼こそ、保元の乱に登場する藤原忠通です。系図を見たら、頼通の『通』で一字おなじなのも偶然ではく、繋がっていることが分かりますね。
次に頼長ですが、彼は嫡男ではないので、『実』『通』のルールは当てはまりません。では、どうしたかというと「道長」「頼通」から一字ずつもらって「頼長」としました。(こっちの方が覚えやすいかもしれませんね)
飽きてきたので、この辺にします。日本の名前はとても面白いので、調べてみたら新たな発見があるかもしれませんよ。
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