第13話 逸話集その四 三献の茶
羽柴秀吉に関して以下の逸話がとても有名です。
秀吉は鷹狩の途中でお寺を訪れました。
「羽柴筑前じゃ、茶を持て」
「はっ!」
出てきたのは女性のような顔つきの小姓でした。
「お茶でございます」
「うむ」
小姓が差し出した大きな器にはぬるめのお茶が並々と入っています。
「うまい!もう一杯!」
「はっ!」
その小姓が次に持ってきたのはまあまあの大きさの器にまあまあの熱さのお茶、秀吉もこの辺りから(こいつ、デキる)と思っていたのではないでしょうか。譜代の家臣を持たぬ秀吉は「デキる」家臣が必要でした。
秀吉はお茶を飲み干して一言。
「もう一杯!」
「はっ!」
三杯目のお茶は小さいお椀に飛び切り熱いお茶が少しだけ入っていました。
秀吉はそれを飲んだ後、
「お主、名は?」
「石田正継が次男、佐吉と申します」
そう彼こそが後の石田三成なのです。
一杯目は喉が渇いているから量を多く、ぬるくする。そこから徐々に量を減らし、熱くしていき、お茶の美味さを味わってもらう。
三成の良いところでもあり、悪いところである「細かなところに目が行き過ぎる」という事を示す逸話だと思います。
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