第10話 逸話集その一 むごい教育
織田信長公に敗れた事でお馴染みの今川義元公ですが、実はなかなかの人物だったそうです。そんな逸話を一つ。
家康の幼い頃の松平氏(後の徳川氏)は今川氏の庇護を受けている非常に弱い存在であり、まだ幼い家康は人質として駿府に送られました。
今川義元が家臣に言ったことには
「竹千代(家康)にはむごい教育をせよ」
「むごい教育」というと、ご飯を満足に与えない、十分な衣服を与えない、などと考えてしまいますが、実はその逆、
「竹千代には夏には涼しいように、冬には暖かいように過ごさせよ、腹が減ったならば十分な飯を食わせ、眠たいならは十二分に寝かせてやれ、勉学を嫌うならばやらせるな」
義元が考えたのはこういうことです。全てが自分の思うようになり、十分すぎる生活に慣れると人は腑抜けになるだろう。逆に厳しく接すると精神的にも強くなるに違いない。だから、「むごい教育」をせよ。いやはや、恐ろしい人です。
今川義元は桶狭間で殺されましたが子供の氏真は江戸幕府にて「高家」となりました。「高家」というのは家康がつくった名門コレクションみたいなもので今川氏、吉良氏、京極氏などがあります。まさか義元も、自分の子孫がこの若造(家康)の子孫に頭を下げることになるとは想像もつかなかったでしょうね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます