第18話 ……なんだ、これ…一体誰がやったんだ?

「……ふっ!」


一応、今後のビジネスパートナーとしての打ち合わせ兼、お互いの現住居を知っておくという名目で、渋々龍馬は凛花を、他の誰をも招いたことのない自身の個人空間パーソナルスペースに招き入れたものの…


汚部屋、と言う言葉がぴったりと当てはまる凛花自身の部屋と比べられて、勝手にどんよりしたり、癇癪を起こしたり、逆ギレしたりところころと表情を変えて情緒不安定になっていた凛花の相手が心底面倒くさかった龍馬。


最終的には、お茶どころか晩御飯までご相伴になったあげく、『やっぱり一緒に住もうよお!!』とか喚き出した凛花の要望を、龍馬は躊躇うことなく『……却下だ』と突っぱねる。

当然、龍馬のそんな塩対応にまたしても喚きたてる凛花だったのだが、ぴきりとこめかみに青筋を浮かべて、静かに『……もう、この話なしにしてもいいんだぞ?』と言い放ったこの言葉に、さすがに黙ってしまう。


龍馬は自分が必要と感じれば、資料の写真も自身で撮影しに出かけることができる人物であると言うことも、凛花は重々承知しており、だからこそこれ以上龍馬の機嫌を損ねることは、せっかく見つけた奇跡のようなモデルを失うこととなってしまう。

ただ、それでもあまりにも塩対応な龍馬に対し、ぶつぶつと恨めしく文句を言うことはやめなかったのだが。


翌日は撮影の為、他県へ早朝から移動することを思い出した凛花が、慌ただしく龍馬の家を飛び出していき、ようやく家に静寂が訪れた途端に妙な疲労感を覚えてしまうこととなった龍馬。


しかし、そんなあるかどうかも分からないような疲労感はまるで気にすることもなく、自宅近くの川の間を結ぶ橋の下で、日課となる鍛錬を行なっている。


「…………」


全身の筋組織全てに、多大な負荷をかけて…

自身の想像力で作り上げた、自身の命を狙う強敵を相手に、命がけの勝負を繰り広げている。

繰り出される拳や蹴りの風切り音の凄まじさが、龍馬が繰り出す攻撃の威力を物語っている。

そんな攻撃を繰り出しながらも、敵の放つ攻撃を全身全霊で集中し、紙一重でかわしていく。


そんな疑似の殺し合いを、すでに数分間も繰り広げている。


龍馬以外の周囲の人間が、その光景を見ても…

迫力のあるシャドーとしか見られないが…

龍馬本人は、想像の相手とは言え、文字通り命がけで戦っている。


それも、今の自分よりも強い相手を想像し、その相手と殺し合いをしている。


無酸素状態での攻防を繰り広げること、すでに五分。

それでも、一向にその暴風雨のような攻撃が止まることはない。


「…………」


普通の人間なら、もうとっくに酸素欠乏症チアノーゼになっているはずなのだが…

鍛えに鍛え抜かれた龍馬の全身、そしてその心肺機能は、まだまだ余裕だと言わんばかりにフル稼働している。


普通の人間なら、向けられただけで全身の機能が停止してしまうほどの、恐ろしい殺気。

それを向けられても、表情一つ揺らぐことなどなく、ただただ、目の前の敵を殺すことのみに集中し続けている龍馬。


自分よりも格上の敵を相手に、五分の状況で戦えている。

そのことに少しも満足することなく、目の前の敵を殺せなければ何の意味もないと…

相手の息の根を止めるまで、その手を、全身をフル稼働させ続ける。


殺さなければ、その先にあるものは己の死。

そんな未来を許容するわけにはいかない。

だからこそ、たとえ自分よりも強い相手であろうと、怯むことなく戦い続ける。

その息の根を、止めるまでは。




「お?なんだあれ?」




そんな孤独な戦いを続けているところを邪魔する、無粋な声。


「うっへ~、今時めっちゃスポ根してるじゃん?」

「しかも、見るからに陰キャってやつじゃん?」

「うわ、だっさ~」


橋げたの下で、ひたすら想像の相手と死闘を繰り広げている龍馬を見て、面白いものを見たと言わんばかりに近寄ってくる連中。


一人は、長身でしなやかな筋肉に覆われた身体を持つ、モデル風の男。

一人は、背丈こそそこまででもないものの、がっちりとした筋肉質な男。

一人は、ケバケバしい厚塗りの化粧と、露出の多いぴったりとした服装の女。

一人は、顔立ちこそ整っているものの、高級感溢れるブランド物に身を包んでいる女。


黙々と鍛錬を続ける龍馬を、品定めしつつも侮蔑する目で見ながらあざ笑っている。


「ふん…こんなことしないと強くなれないなんて、大したことなさそうだね」

「全くだ。今時ジムにでも行って、専属のトレーナーにでもついてもらえば、このくらいの筋肉は身に付くんだがね」


四人共、大手商社やいいところの跡取りと言う生まれであり、何不自由なく暮らしてきた連中。

そんな、モデル風の男と筋肉質な男が、自身をいじめ抜くかのような地道な鍛錬を繰り返す龍馬を見下す発言をする。


「しかもさあ、めっちゃ陰キャじゃんこいつ」

「陰キャなんかがそんな努力なんかしたってさあ…しょせんは陰キャだって分かんないのかなあ?」


ケバい女と派手な女が、揃って見た目陰キャな龍馬を見てあざ笑っている。


しかし龍馬は、そんな連中の声などまるで耳に入っていない。

目の前の、己の息の根を止めにかかってくる強敵との死闘に、集中している。


その暴風雨のような攻撃を繰り出すことをやめることなく…

ただただ、強敵との殺し合いに集中している。


「…おい、聞いてんのか?」

「てめえに言ってんだよ!てめえによ!」

「なに~?陰キャだから、他人とお話もできないの~?」

「ふふ、あんたみたいな陰キャが、うちらみたいなゴージャスな人種と関われることなんて、もうないかもよ~?」


そんな龍馬を見て、自分達が無視されていると思った四人は、ひたすら鍛錬に没頭する龍馬に自分達の存在を気づかせようとする。


だが、それでも龍馬は一向に反応しない。

ただひたすら、目の前の敵を殺す為の動きを、さらに繰り広げている。


「……こいつ!いい加減にこっちを見ろっての!」


見た目の爽やかさに反して、あまりにも短気なモデル風の男。

一向に自分達の存在に気づかない龍馬に、とうとう堪忍袋の緒が切れたのか…

一人孤独な鍛錬を続ける龍馬に掴みかかろうとする。


だがそれは、決してやってはいけない愚かな行為だった。




「ぐぼあっ!!!!!!!」




己の前を立ちふさがる強敵と戦っている龍馬が、野次馬であるモデル風の男が接近してきたことなど気づくはずもなく…

その自慢の顔に、龍馬の全身全霊の拳がふりかかってしまう。


コンクリート製の橋げたに、モデル風の男の身体が一瞬にして叩きつけられ…

そのまま、こと切れたかのように意識を失ってしまう。




「……?なんだ?…」




規格外の想像力を持つ龍馬である為、まるで現実リアルのような感覚での疑似戦闘ができるのだが…

さすがに本物の現実の感覚には及ばない。


だからこそ、実際に何かを殴り倒した感触に違和感を感じてしまい…

ようやくと言った感じで現実回帰し、何を殴ってしまったのかを、周囲を見渡して確認しようとする。


「お!おい!だ、大丈夫か!?」

「ちょ、う、うそでしょ?うそよね?」

「え?こ、これ、ヤバいんじゃない?」


ふと橋げたの方を見てみると、見覚えのない連中が一人の倒れている男に、別の男が懸命に呼びかけている。

女二人は、倒れている男がまるでこと切れているかのように反応がないことに、じょじょに顔色が悪くなってきている。


「……?何してんだ?」


先程までの疑似戦闘と、現実の感覚が曖昧になってしまっており…

よもや自分が、橋げたの方で倒れている男を殴り倒したなどとは夢にも思わず…

そこにたむろっている連中が一体何をしているのか、龍馬は全く分からないでいる。


「うげ!か、顔が…」

「!な、なにこれ!?」

「う、うっぷ……」


龍馬に殴り倒された男の顔が、原型すら分からなくなる程に崩れてしまい…

しかも、殴られた箇所の肉が裂けて、口の中が見えてしまっているところを直視してしまい…

取り巻きの男と女二人が、思わず胃の内容物が逆流してくるような感覚を覚え、口から吐き出してしまいそうになる。


不幸中の幸いか、かなり派手に殴り倒されているとはいえ、龍馬の拳の直撃を避ける形にはなっていたようで…

頬骨は完全に砕けてしまい、かなり手ひどい状態にはなってしまっているものの、命に別状はない。


とはいえ、脳の方もかなりの衝撃を受けた形になっている為…

下手をすれば急性硬膜下血腫などの、脳の障害が出てしまう可能性があり、重症であることには変わりはない。


「マ…マジかよ…こんなこと…人間の拳でできんのか…」

「え?こ、これってそんなにヤバいの?」

「ヤバいなんてもんじゃねえよ!吹き飛び方自体がもうおかしすぎるし、あの拳食らった箇所見たんなら分かるだろ!死ななかったのが不思議なくらいだよ!」

「!そ、そんな……」

「あ、あんな陰キャなのに……」

「!バ、バカ!そんなこと言うんじゃねえ!あいつが聞いてて気分悪くしたらどうすんだ!」

「ど、どうすんだって…」

「お前らも、こいつみたいになりてえのか!?そうなったっておかしくねえんだぞ!?」


筋肉質な男の、この世で最も恐ろしいものと遭遇したかのような取り乱しように、女二人はいまいち要領を得ていない状態。

だが、男の必死な叫びに、ようやく事の重大さに気づき始めたのか、顔色がどんどん悪くなっていく。


「で、でも……」

「い、いくらなんでも、うちらみたいな女の子相手にそこまで…」

「お前ら、あいつが何したのか見てただろ!?ただ寄っていっただけのこいつを、有無も言わさずに殴り飛ばしたんだぞ!?」

「!そ、それって…」

「ま、まさか…」

「そんな常識通用するような相手だなんて思うな!死にたくねえなら、あいつを刺激すんじゃねえ!」


この男、見た目に反して相当な小心者のようで…

龍馬の剛腕による一撃を見ただけで、完全に恐怖にその心を支配されてしまっている。


龍馬本人は、モデル風の男を殴り飛ばしたことすら気づいていない状態なので…

筋肉質な男が喚きたてていることを聞いても、一体何のことなのか、さっぱり分からない。

しかし、なんだか人すら好んで食らう猛獣のような扱いをされているのは、男の喚きたてている内容から察することができてしまう。


「と、とにかく逃げるぞ!これ以上、あんな恐ろしいやつと同じ場所にいたくねえ!」

「ちょ、ちょっと待ってよ!こいつはどうすんのよ!?」

「知らねえよ!俺はもう逃げるからな!」

「あ!ちょ、待ちなさいよ!」


そして、その筋肉が見掛け倒しだと言うことを自らの行動で証明するかのように…

男は、倒れているモデル風の男と女二人を置き去りにして、振り向きもせずにその場から逃げてしまった。


「な、なんてやつなのほんと!」

「もうあいつとはこれっきりよね!」


自分達はもちろん、怪我人すらも置き去りにして逃げ去ってしまった男に、その顔を真っ赤にして恨み言をぶちぶちと言い出す女達。

あまりにも薄情な、あの男の行為にもう金輪際関わらないと、二人共その心に誓う。




「……なあ、何やってんだ?」




連中の一人である男が、何かを喚きたてながら逃げ去っていったのを見て、さすがに龍馬も気になったのか、残された女二人に声をかけてみる。




「「!ひ、ひいいいっ!」」




仲間であるモデル風の男をこんな状態にした元凶が、よもや自分達に声をかけてくるとは思わなかったのか…

女達は、まるで背筋に氷でも這わされたかのように、びくりと立ち上がって盛大に驚いてしまう。


「ご、ごめんなさいごめんなさいいいいっ!」

「こ、殺さないでえっ!」


自分達も、龍馬を蔑んでいたという自覚があり、その蔑んだ相手が近寄ってきたことに、奈落の底に叩き落されたかのような恐怖を覚え…

まるで土下座せんがごとくの勢いで、謝罪と命乞いの言葉をその場に響かせる。


「?……殺す?あんたら、俺になんかしたのか?」


そんな二人の言葉に、龍馬は何を言われているのか全く分からず…

きょとんとした表情を浮かべながら、間の抜けた声を発してしまう。


「い、陰キャだなんて言って、ごめんなさいいいっ!」

「ほ、本当に済みませんでしたああっ!!」


下手をすれば、自分もこのモデル風の男のようにされてしまうかもしれない。

その恐怖から逃れたくて、必死で龍馬に向けて謝罪の言葉を響かせる。


「……まあ、このナリだったらそう思うのも無理ないか…」

「え?」

「……そもそもあんたら、俺に陰キャとか言ってたのか?俺、そんなの全く聞こえてなかったんだが…」

「そ、そうなの?」

「……ずっと、鍛錬に集中してたからな…もし俺に呼びかけてたならすまん。全く聞こえてなかった」

「……よ、よかったあ」

「……う、うちら殺されなくて、すんだあ…」

「?……そもそも、なんで俺に殺されるとか、思うんだ?確かに敵対してきた奴には一切、容赦するつもりはねえが…」

「!だ、だって…これ…」

「?……」


ケバい女が、びくびくと怯えながら指さしたその先には…

龍馬がその意識を現実から乖離させ、想像の中の殺し合いに没頭していた最中に、不意に殴り倒してしまったモデル風の男がいた。


「……なんだ、これ…一体誰がやったんだ?」

「あんたよ!あんた!」

「?……俺?」

「そうよ!ただ寄ってっただけのこいつを、あんたが殴り倒したんじゃない!」

「……そうなのか?」

「そうよ!」

「しらばっくれないでよ!」

「……マジか…なんか手ごたえがおかしいなって思ってたら…」

「え?ちょ、ちょっと待って?」

「ほ、本当に分からないの?」

「……いや、これはマジで申し訳ない。あの鍛錬してる時、意識が全部想像の中に行っちまうんだ。だから人のいない場所でやってたんだがなあ…」

「…………」

「…………」


自分がモデル風の男を殴り倒したと聞かされ、全面的に自分が悪いと謝罪をする龍馬。

だが、その謝罪の次に飛び出した龍馬の台詞を聞いて、女達は龍馬の想像を絶するほどの集中力に絶句してしまう。


「……ちょっと、どいてくれねえか」

「え?」

「な、何するの?」

「……さすがにこれをこのままにはしておけねえ…」


自分が無意識のうちに殴り倒した男を背負い、どこかへ向かおうとする龍馬。

それを見て、女達も慌ててそれについていく。


「ちょ、ちょっと!」

「そいつ連れて、どこいくのよ!」

「……決まってんだろ、こいつの治療だ」


その台詞に、女達はそこから言葉を発することなく、男を背負って歩く龍馬について行った。




――――




「……ふう…これでなんとかなるか…」


龍馬が向かって行った所は、龍馬が個人的に所持している、倉庫のような建物。

その中になぜかある医療スペースに、自分が怪我させた男を運び込み…

術着に着替えて、即座に男の治療を開始する。


MRIによる診断では、幸い脳に損傷などの影響はなかったので、原型から崩れてしまった顔の整復を行なっていった。

あまりにひどく崩れてしまっていた為、もう元の形には戻らないだろうとさえ思われていた、モデル風の男の顔を治療すること、約二時間…


「…………」

「…………」


龍馬が男を治療している間、固唾を飲んで待っていた女二人が見たものは…

包帯でぐるぐる巻きにされているが、形そのものは元の形に戻っている男の顔。


「……顔の整復は、一通りやっておいた。しばらくは包帯は外せねえが、まあ元通りになるだろう。あと、MRIで診た結果、脳にも損傷はないし、硬膜下血腫とかもなかったから、とりあえずは大丈夫だろう。ただ、日が経ってから何か影響が出るかもしれねえから、具合が悪くなったりしたらすぐに病院に行った方がいいな」

「…………」

「…………」

「……とりあえず、こいつはこのままここに寝かせて、俺は一晩様子を見ることにする。あんたらはもう帰っていいぞ」

「…………」

「…………」

「?……おい、聞いてんのか?何を惚けた顔してんだ?」


モデル風の男の状態を詳細に説明し、当面の治療はすると確約して、女達を帰そうとする龍馬。

だが、当の女達は一向に反応らしい反応を見せず、じっと龍馬の方を見つめている。


そんな女達に、龍馬は訝し気な視線を送ってしまう。


「……まあいい。俺が言えた義理じゃねえが、これで手打ちってことにしてくれ。こいつが完治するまでは俺が面倒見るから。とりあえず休みてえなら休んでから帰ってくれたらいい。飲み物くれえなら、その辺に転がってるから、好きに飲んでくれ」


一通りの治療、そして説明を終えて一息つこうとする龍馬。


とりあえずここで休んでもいいということまでぶっきらぼうに伝えると、一向に反応がない女達から視線を切り、男が寝ている部屋を後にした。


「……ねえ」

「……うん」

「…やばいよね、彼」

「…うん、やばい」

「…なんなのあれ。めっちゃイケメンじゃない」

「…それに、めっちゃ強くて責任感もあって、硬派な感じがして…」

「…おまけにあんなひどい怪我の治療までできるなんて…」

「…ここも、彼が持ってるとか言ってたよね?」

「…将来性高すぎでしょ」

「…こいつなんか、もうどうでもよくなってきちゃった」

「…うち、彼になら全部奪われてもいいわ」


ずっと惚けていた女達が、自分の素顔を見て…

さらには多才で将来性も非常に高いことを話し合い、さらにはどうやったら自分に気に入ってもらえるか、などと考えているなど、知る由もない龍馬。


女二人は、ずっと有望だと思っていたモデル風の男すらかすんで見えてしまう龍馬にすっかり首ったけになってしまい…

結局は家に帰ることなく、一夜を明かしてしまうので、あった。

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