第5話 ……強ければ生き、弱ければ死ぬ…それだけだ

「おい、そこの陰キャ」

「…………」


少女と別れ、自宅を目指して歩いていた龍馬にかかる、侮蔑の感情を込められた声。

だが龍馬は、自分にその声がかかっているとは微塵も思うことなく…

ただただ、自宅で残している作業のことを思い浮かべながら、自宅へとその足を動かし続ける。


「おい!てめえだよてめえ!」


そんな龍馬の態度を見て無視されたと思ったのか、声の主は龍馬の進路を塞ぐように龍馬の目の前にまで移動し、龍馬を威嚇するかのように鋭い目で睨む。

また、声の主だけではなく、その取り巻きと思われる、ガラの悪そうな風貌の男達もその場に姿を現す。


その数、合計五人。


「……俺に言ったのか?」


ところが、龍馬はそんなチンピラの声などまるで聞こえていなかった様子。

いかにも喧嘩自慢と言いたそうな、屈強な肉体の男達に囲まれていてもそのマイノリティを崩さず。


そんな龍馬の態度にチンピラ達は神経を逆撫でされたかのようなイラつきを瞬間見せるも…

すぐに落ち着き、改めて龍馬に絡みつきながら話しかけてくる。


「まあまあ、そう慌てるなよ」

「俺らが怖くて、すぐにこの場を離れたいからってよ」

「別にてめえをボコして、とか思ってるわけじゃあ、ねえんだよ」

「まあそれも、俺らのお願いを聞いてくれたら、なんだけどな」


ニヤニヤと下卑た薄ら笑いを浮かべながら、チンピラ達は龍馬に絡んでくる。

お願い、などと言ってはいるが、チンピラ達は明らかに龍馬を逃がさないように囲んでいる。


「……お願い?」

「そうそう」

「俺らさあ、ちょっとお金がなくて困ってんの、分かる?」

「だからよお…そんなかわいそうな俺らにめぐんでくれ、ってことなんだよ」

「そうそう!俺らが笑って遊べる程度でいいんだよ、な?」

「一人十万くらいはほしいからよお…全員分で五十万だな!」


龍馬が見た目華奢で内向的な容姿をしているからか、チンピラ達は明らかに龍馬のことを見下している。


「…………」


そんなチンピラ達を、龍馬は無言のまま無表情で見ている。


「ははは、俺らが怖くて声も出ない、ってか?」

「安心しろよ、何もてめえに危害を加えるってわけじゃねえんだよ」

「だからよお…痛い目にあいたくなかったら、俺らの遊び金をよこせって言ってんだよ」

「そしたらよお…てめえは無傷でここを通れる、俺らは遊び金が手に入る、な?これがWin-Winってやつだっけ?」

「そうそう!誰も傷つかない優しい世界、ってやつだそれ!」

「ちげえねえ!ぎゃはははははは!!」


無言のままでいる龍馬を、自分達に怯えていると思い込んだチンピラ達。

龍馬の身体に絡みつくようにその屈強な腕を回して逃がさないようにし、自分勝手な要求も含め、好き放題なことを声にする。


下卑た笑い声をその場に響かせながら、執拗に龍馬の財布を狙い続ける。


「ほら、痛い目になんかあいたくねえだろ?」

「てめえみてえな存在価値もない陰キャなんぞ、俺らのサンドバッグになってもらってもいいんだけどよ」

「俺ら優しいから、それじゃかわいそうって思っちゃうわけよ」

「だからよ、優しい俺らが見逃すかわりに、俺らに寄付すりゃ、丸く収まるってわけよ」

「な?分かるだろ?」


チンピラ達は、明らかに自分達が絶対の強者という態度で、龍馬に金銭を要求し続ける。

払うまでは、絶対に逃がさない。

龍馬に絡みつく腕にも、その意思が込められており、決して目の前の金づるを通さないと、龍馬の前に立ちふさがる。




「……気に入らねえ」




そんなチンピラ達に、龍馬は心底呆れたような表情と口調で一言吐き捨てる。


「ああ?」

「なんだてめえ…俺らが優しくしてりゃ、つけあがりやがって」


その一言に、それまで下卑た笑い声と共に優位に立っていたはずのチンピラ達に、怒りの表情が浮かび上がる。


「……そもそもてめえら、何様のつもりだ?」

「ああ?」

「……金が欲しけりゃ、自分で働いて稼げばいいじゃねえか。その程度のこともできねえ奴らが、何偉そうなこと言ってんだ?頭わいてんのか?」

「!!て、てめえ!!」

「!!こ、このガキャあ!!」

「……人が汗水流して得たもんを、暴力で奪い取るってか?そんなことしかできねえカス共が、何いっちょ前に人間の言葉しゃべってんだ?ああ?」

「!!い、言わせておけば…」

「……奪い取るしかできねえってことは、働くこともできねえ…社会から切り捨てられたってことだろ?要は社会のお荷物じゃねえか。それをカス共と言って何が悪いんだ?」

「!!く、クソガキがあ!!」

「!!てめえ、よっぽど死にてえようだなあ!!」




「……てめえらみてえのを、『死んで初めて世間の役に立つ存在』って言うんだよ」




「!!ぐ、ぐぐぐぐぐぐぐ…」

「!!も、もう許さねえ!!」

「……覚えとけ、この寄生虫以下のゴミ共」


一切の反論すら許さない、と言わんばかりの龍馬の言葉に、チンピラ達は完全に堪忍袋の緒が切れている。


五人全員が龍馬を逃がすまいと取り囲み、龍馬を気のすむまでサンドバッグにしようと拳を鳴らしている。


「たかが陰キャの分際で、偉そうなこと言ってんじゃねえ!!」


そして、その拳がついに龍馬に襲い掛かる。


龍馬の左頬が、チンピラの拳に殴られる。


「ははは!!どうだこらあ!!陰キャの分際で逆らうから、こうなんだよ!!」


あっさりと龍馬に攻撃が通ったことで、チンピラは得意げな態度をとる。

そのせいか、本来ならば異常であることに気づいていない。




――――殴られた龍馬が、まるで何事もなかったかのようにその場に身体を残していることに――――




当然、他のチンピラ達もそのことに気づかず、いい気になって下卑た笑い声をあげている。




「……なんだ、これ」




自分よりも筋骨隆々で、倍近い体格の違いがある男の攻撃をまともに受けたにも関わらず…

当の龍馬は、心底つまらなそうな表情を浮かべつつ、見下げ果てたかような目でチンピラ達を睨みつける。


「は?」

「はあ?」

「……なあ、これで攻撃したつもりか?」

「う、嘘だろ?……」

「あいつの渾身のパンチ、まともに食らって…」


自分の攻撃が、龍馬に全く聞いていなかったことに、ようやくといった形でチンピラが驚きの声をあげる。

他のチンピラ達も、その光景に動揺を隠せない。


「……あきれたぜ。ほんとに」

「な、なんだこいつ…」

「……この程度の力で、この世の支配者みてえな振る舞いしてたなんてな」

「な!!」

「……まあ、つるまなきゃ喧嘩もできねえような腰抜け共なんざ、しょせんこの程度か」


龍馬がその一言を言い終えた、その瞬間――――




「!!ぐおおおおおおおおっ!!!!!!!!」




――――龍馬の顔面に拳を叩きこんだチンピラの身体が、くの字に折れ曲がり、そのまま地面へと沈んでしまう。


龍馬が、その左拳をチンピラの腹に叩きこんでいた。


「う、うげえっ……」


その一撃で、チンピラは胃の内容物ばかりでなく、血まで吐き出し…

そのあまりの激痛に悶絶してしまう。


「……ふん」


そのチンピラの顔面を踏み砕くかのように、龍馬は左足を高く振り上げてから、力を込めて落とす。


「!!ぐぎゃああああああああああっ!!!!!!」


チンピラの額がそのまま地面にぶつかり、龍馬の踏みつけによる力で圧迫され…

その圧力で額が割れ、おびただしい量の血が流れ、地面を深紅に染めていく。


頭を踏んづけられたチンピラは、完全に気を失い、そのまま動かなくなってしまう。


「て、てめえええええええええええっ!!!!!!!」


流れるように行われたその一連の動作があまりにも早すぎて、認識自体が追い付いてなかった他のチンピラ達だが…

ようやく事態の認識が追い付いたのか、逆上して龍馬に襲い掛かる。


「…………」

「!!ぐ、ぐううううううっ!!!!!!!!」


自分に襲い掛かってきたチンピラの顔をその右手で鷲掴みにすると…

重力による抵抗など、まるでないと言わんばかりにその巨体を軽々と持ち上げる。


そして、その凄まじいほどの握力で、チンピラの顔面を握りこむ。


「!!ぎゃ、ぎゃあああああああああああっ!!!!!!!!!」


頭蓋骨が軋みによる悲鳴をあげ、脳にまで届くほどに龍馬の握力による圧力がかかっていく。

まるで万力に頭を挟まれ、そのまま圧迫されていくかのような凄まじい圧力。


その圧力による激痛に耐えきれず、チンピラの悲鳴が響き渡る。


その尋常ではないほどの圧力から逃れようと、自身の屈強な両腕で龍馬の右手による拘束から逃れようとするのだが…

まるでコンクリートで固められてしまったかのようにびくともしないその拘束に、抵抗らしい抵抗すらできない。


「……うるせえよ、ゴミクズ」


その場に響き渡る、チンピラの苦悶の悲鳴が耳に障ったのか…

龍馬は右手で掴んでいるチンピラの顔面を、それが付いている身体ごと、鉄筋コンクリート造の建造物の方へと無造作に投げつける。


「ぐはああああああああああっ!!!!!!!!」


まるで鉄球をその壁に打ち込んだかのような轟音と、壁に投げつけられたチンピラの悲鳴が同時にその場に響き渡る。


壁に投げつけられたチンピラは、全身から出血しながら重力に従って地面に、糸の切れた人形のように力なく横たわり、そのまま動かなくなった。


「あ……」

「や…やべえ…な、なんだこいつ……」


その一連の光景を目の当たりにして、チンピラ達はようやく気が付いてしまう。




――――自分達が弱者だと思って絡んだ人物が、決して敵に回してはいけない存在だったということに――――




身長こそはあるものの、その体格は華奢と言っても差し支えないもの。


そんな身体から繰り出される、人間業とは思えないほどの剛力。


体格では完全に上回っているはずの自分達のような男を、苦も無く力でねじ伏せるその姿。


何よりも、人の命を奪うことに、一切の躊躇いも忌避感もない…

永久凍土のように怜悧冷徹な、能面のような無表情。


「お、お前…やめろよ」

「死んじまうじゃねえかよ…そんなの」

「お前、わ、分かってんのか!?こんなの、人殺しじゃねえか!!」


すでに恐怖に支配され、その巨体はろくに動かせないほどに震え、その場に縫い付けられている。


龍馬にやられた二人が、ピクリとも動かないことに、チンピラ達は龍馬を人殺しと糾弾する。


そんなチンピラ達に、龍馬はその睨まれただけで何もかもが凍てついてしまうような、氷の視線を向ける。

それだけで、チンピラ達は奈落に落とされたかのような絶望感と恐怖を感じてしまう。


「……人殺しってのは、人間に対してのもんだろが」

「!?は、はあ!?」

「な、なに言ってんだ、お前!?」




「……てめえらみてえな、存在する価値もねえゴミクズ共が…何いっちょ前に人間だなんて、自己主張してんだ?ああ?」




「!!ぐ……」

「!!う……」


肝が底冷えするほどの、龍馬の地の底から響くような声。

目の前にいるチンピラ達を、人としてすら認識していない。


そんな龍馬の言葉に、チンピラ達は反論しようとするも、それすらできない。




――――物理的な圧力さえ感じさせる、その圧倒的な殺気を前にして――――




逃げ出そうにも、足どころか指一本動かせない。

それほどに、目の前の化け物が恐ろしすぎる。


「……そもそもてめえら、そうやって懇願したり反論したりしてきた人間を見逃したりしたのか?」

「!!……」

「……ただただ自分達で最低限の生活基盤すら立てられねえから、自分より弱い人間から奪い続けてきたんじゃねえのか?」

「!!そ、それは……」

「……俺のことをどうこう言う以前に、てめえらはそんだけ周囲に不幸な人間を生み出し続けてきたんだろうが」

「!!あ、う……」

「……存在してるだけで周囲に不幸を生み出す害虫が、何偉そうに人権なんぞ主張してんだ?ああ?」

「!!……」

「……自分からルール無用の弱肉強食の世界に飛び込んどいて、それが通用しなくなったら人間様のルールに頼ろうってか?…ゴミの考えることは、しょせんゴミだな」

「!!ぐ、ぐぐぐ……」




「……強ければ生き、弱ければ死ぬ…それだけだ。てめえらは弱い、だから死ぬ。それだけの話だ」




「!!ちょ、ま…」

「……そういう世界に、てめえらは自ら飛び込んだんだ…今更なかったことにできるとでも、思ってんのか?」

「!!ま、待って…!!ぎゃあああああああっ!!!!!!」


龍馬の濃密な殺気がよりその濃度を増したその瞬間。

無事だったはずのチンピラの一人が、轟音と共に地面に叩きつけられる。


動き出しすら見えないほどに速い龍馬の左拳が、チンピラの顔面を殴り…

その圧倒的な威力に、チンピラの身体が地面に叩きつけられることとなる。


地面に叩きつけられたチンピラは、顔面からおびただしいほどの血を流し…

そのまま、ピクリとも動かなくなった。


残るは、二人。


「…………」

「ゆ、許して……」

「も、もう悪いことはしません……」


五人もいた筋骨隆々のチンピラが、なす術もなく三人も倒されている。

しかも、全て一撃で。


そのあまりの強さに、残る二人は完全に戦意喪失。

だが、二人を人とも思わない龍馬の凍てつく睨みに、逃げることすらできない。


確実に、虫けらのように自分達の命を奪える死神が、ゆっくりと迫ってくる。

自分達の命を、終わらせに。


それが分かっているにも関わらず、その全身はまるで機能停止してしまったかのように、指一本動かすことすらできない。


「……これまでさんざん、自分より弱い奴らに好き勝手しておいて、今更何言ってんだ?」

「そ、それは…」

「……弱肉強食の世界ってのは、てめえらみてえなどっちつかずの半端野郎が生きていい世界なんかじゃ、ねえんだよ」

「!!ち、ちが……」

「……本気でルール無用の世界に生きるつもりなら、敵を躊躇わず殺すぐれえのこと、やれねえと無理なんだよ…できねえなら、その瞬間自分が死ぬからな」

「!!…………」

「……ましてや、不意打ちで食らわした拳で俺を倒すどころか傷一つつけられねえほどの弱さで、この世界で生きてるつもりだったなんてな」

「そ、それは違うんです!!」

「お、俺らはただやりたいようにやってただけで…」

「……そのやりたいようにやる、ってこと自体…力がなきゃできねえことじゃねえか。だから言ってんだろうが…何様のつもりだ?ってな」


死神が一歩一歩、死をもたらさんがごとくに、獲物であるチンピラ達に迫っていく。

確実に見える、自分達の死と言う未来に、チンピラ達の恐怖は底抜けに膨れ上がっていく。


もはや、震えすら起こせないほどに。


「た、助けて…」

「……さっきも言っただろが。その台詞吐いた奴らを、てめえらは一体どうしたんだってな」

「!!ぎゃあああああああああああああっ!!!!!!!!」


表情一つ揺らさないままに、龍馬の左脚が閃光のように…

怯えに怯えてどうすることもできないでいるチンピラの一人に突き刺さる。


その蹴りを食らったチンピラは、鉄筋コンクリート製の頑強な建物に、強烈な勢いで激突。

全身からおびただしく血を流し、物言わぬ躯のようにぴくりとも動かなくなってしまう。


とうとう、残るは一人。


「か、勘弁してください…こ、殺さないでください…」


もう恥も外聞もない。


あまりの恐怖に、チンピラの履いているズボンの中心から汚水が染み出してくる。

あまりの絶望に、チンピラの目から涙が零れ落ちてくる。


逆らうことすらも許されない、絶対的なほどの強者を前に、身動き一つ取ることもできず…

ただただ、唯一動かせる口で、生への懇願を述べ続けることしかできない。


「……弱肉強食の世界がどういうもんなのか、少しは実感できたか?」


もはやその存在そのものが恐怖の象徴となっている龍馬からの問いかけ。

その問いかけに、チンピラはかろうじて動かせる首を必死に縦に動かし、肯定の意を表す。


「……相手が自分より強いと分かった時点で死が待ってる…そんな世界なんだよ。それが分かってから命乞いなんて、できるとでも思ってたのか?」


絶対零度を思わせるほど底冷えさせる、地の底から響いてくるような龍馬の声。

その声から紡がれるその言葉に、すでに恐怖と絶望に支配されているチンピラの心は、さらなる絶望へと叩き落されてしまう。


「や…やめて…こ…殺さないで……」


自分を確実にあの世へと葬り去ることのできる死神との距離は、わずか1m未満。

この距離なら、あの恐ろしすぎるほどに強い拳も蹴りも、全て届く。




「……人として普通に生きることも、獣としてただただ力で生きることもできねえ半端のドクズが…」




物理的な圧力すら感じさせる、濃密なほどの龍馬の殺気がより濃密になる。


「ああ…あああ……」


ただただ、無慈悲に殺されるのを待つことしかできないチンピラは、かろうじて動く首だけでもぶんぶんと左右に振り回して、死への拒絶の意思を表示し続ける。




「……俺は、てめえらみてえな半端野郎が死ぬほど嫌いなんだよ」




嫌悪感に満ち溢れた、龍馬のその台詞がその場に響いた、その瞬間。


「!!ひぎゃああああああああああああっ!!!!!!!!」


龍馬の右手が、チンピラの顔面を鷲掴みにし…

掴んだ瞬間、その頭蓋を握りつぶす勢いで握力を込めていく。


頭蓋が一瞬ではじけ飛んでしまいそうなほどの凄まじい圧力に、チンピラから絶叫が飛び出してしまう。


「……くたばれ、ゴミクズが」


握りつぶさん勢いで鷲掴みにしているチンピラの頭を、それにつながっている身体ごと、ブロック製の地面へと叩きつける。


ブロック製の地面が砕けてしまうほどの力で。


その瞬間、けたたましいほどに響いていたチンピラの絶叫が途絶え…

おびただしいほどの流血と共に、ぴくりとも動かなくなってしまう。


「…………」


結局、龍馬に絡んだチンピラ五人全員が龍馬によって力でねじ伏せられ…

全員、ぴくりとも動けない状態となっている。


五人もの筋骨隆々の巨体を誇る男が、圧倒的な力によって蹴散らされているその光景。


その光景を、自身の力によって作り上げた当の本人である龍馬は…

その光景を一瞥し、すぐに興味を失ったかのように背を向ける。


「……無駄な時間、過ごしちまった」


そして龍馬は、何事もなかったかのように再び、自宅へと足を進めるので、あった。

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