第4話
あの後恵はあのお洒落イタリアンの店員さんの連絡先をなんとゲットしていた。
私の知らないうちに。天才か?
「でさ~デートも決まったんだけど、洋服見に行くのついてきてよ」
「別にいいよ、良かったね。デート。」
「ありがと!もう27になるけどこうゆう事って楽しくて未だにわくわくしちゃう。」
「本当に可愛いなー恵は。こんなに頑張って偉い。なのになんで、長続きはしないのかな。」
「なんでなのかなー…私も知りたいっ」
寂しそうな笑顔でくすっと笑った恵。
私はこんな可愛い努力家の女がなんで幸せ続きが短いのか知りたい。
「とりあえず行こ!ワンピースにしないとね」
「恵、なんでも似合うもんね」
「えへへ、夏美のも一緒に見ようね!」
「そうだった(笑)」
綺麗な服や靴、バッグにアクセサリー
きらきら輝くものばかり目につく。
私は、私もまだ恵みたいに
歳なんて気にせずに
きらきら輝きたいと思わせてくれた。
ありがとう。
私も自分を少しずつ変えてみようかな。
王子様…まだ、いるかもしれないしね。
恵は彼とデートを繰り返し、付き合うことになった。
彼はひとつ上の歳で、あのイタリアンのオーナーさん。
オーナーなのに、皆と一緒になって働いてる姿がかっこよくって前から気になってたらしい。
そして私にまたちゃんと紹介したいということで謎の顔合わせが始まる。
「おまたせ~!」
「あ、きた!夏美~!」
ぺこりと会釈をする彼は
「こんにちは、藤井 拓也です。」
ふじいたくや。
「あ、こんにちは、星川夏美です。よろしくお願いします。」
「とりあえず緩く行こうよ、昼飲み!昼飲みしながらゆっくり喋ろう!」
「恵ちゃん、ほんと飲むの好きだね。俺のおすすめでもいい?」
「え!おすすめあるの?行く行く!夏美行こ!」
「私、親みたいだな~(笑)」
藤井さんは見た目も良いいし、優しそう。
恵、良かったね。
「あの、俺の友達も呼んでいいかな?近くにちょうどいるみたいで。夏美ちゃん、大丈夫?」
「私は全然、大丈夫ですよ。人数多いの楽しいですし。」
「意外と大人数でも大丈夫なんだね。良かった。じゃあ二人共ちょっと待ってて、」
「「はーい」」
…
「どうする。拓也くんの友達、イケメンだったら」
「言うと思った。」
「えへへ、てゆうかさっ。今日の夏美、超可愛いね!この前買ったワンピースだよね、めっちゃ似合う!」
「そ、そうかな?恥ずかしいからあんまりそう言うこと言わないで。」
「だって本当だもん(笑)拓也くんの友達、フリーかなぁどうかなぁ。」
「もう(笑)」
少しの間、恵の惚気時間が始まり
私はうんうんと頷き話を聞く。
恋してる女の子って本当に楽しそうで、さらに可愛くなる。
少女漫画にも書いてあったな。
「二人共、お待たせ。」
「あ!拓也くん、おかえり!」
「初めまして、えっと…」
目が合った
黒髪で、まつ毛が長くて。
私より…20cmくらい身長が高い。
「俺の彼女の田中恵ちゃんと、その友達の星川夏美ちゃん。竜、ここ座りな」
「拓、ありがと」
向かいに座った 竜 と呼ばれた男は誘導されるがままに椅子に座り、少しそわそわした様子だった。
「紹介するね、こちら佐藤 竜。俺の弟みたいな存在かな。最初は人見知り凄いけど、すぐ打ち解けれるから大丈夫だよ。ちなみに歳は26なのよ。よろしくしてやってね。」
「弟みたいな…友達さん…? 可愛い~!年下なんだ!私の事なんて呼んでもいいよっ、タメ口でいこ!よろしくね、竜くん!」
「あ、うん。よろしく。恵さん……と夏美さん」
「よろしくね、佐藤くん」
「じゃあ皆、これからよろしくお願いしまーす!仲良くしよー!」
かんぱーい!!!
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