No20ー呪文の書ー

「ということでまずは寅をつかまえるぞ」

「え?」

いや、丸々1話使ったうさぎのくだりなんだったん?!

「今年はまだ見つかっていないの」

いや、『見つかってないの』じゃないやん!

(テキトー関西弁、2回目のご登場)

「待って待って、うさちゃんはいいよ、抱っこすればいいし!

だけど虎って、、、無理!」

「呪文言って触れればいいだけだ」

「そうよ、怖くな〜い、怖くな〜い」

麻酔銃でジャングル探検ではないのね。

良かった、、、ってそれでも怖いよ!

てか呪文?

めっちゃファンタジー。

てことはもしや、、、

「呪文の書みたいなのあるの?」

キラキラした目で尋ねられて可愛いなと思いつつも同時に申し訳ないと思う。

「ハハ、あるよ」

「えっマジ!」

あの時俺が止められていれば、

「ジャジャーン!これが代々死神たちによって受け継がれてきた呪文の書だ!」

そう言いながら殺屋おっさんは棚からジャポニカ学習帳を取り出した。

いや、確かに花ではなく虫が表紙の、古いタイプのやつだけども、

「新しすぎんだろ!?ナメんな呪文の書!

羊皮紙かパピルスだろうが!!ふざけんなや!!」

「ごめんな」

素直に謝られてしまった。

「えっ?ちょそんな、冗談やん」

そんな顔すんなよ。

俺のせいなんだよ。

俺が気付けなかったせい。

相棒あいつの変化に気づけなかったせい。

変化?前々から計画してたことなのかもしれない。

俗界あっちの時から。

「呪文の書は盗まれたんだ」

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