第18話 ネットショッピング

 現在お昼14時頃、自由時間となった俺はソファーに座りながら、スマホをいじっていた。


 柚梪はいつものごとく、俺の肩に頭を乗せて恋愛小説を読んでいる。


(そろそろ、柚梪の服や下着を買わないとな……下着かぁ……)


 ええい、余計なことは考えるでない俺。


 ただ、服を買うとしても……台風が過ぎた後になるし、女性用の下着を……選んで買わないといけないのか……。


 女性用の下着を男が見て、選んで買う。おいおい……他から見たら、ただの変質者じゃねぇか。


(あっ、そうだ……! ネットで注文しちまえば良いじゃないか!)


 ネットショッピング……人に見られずに、欲しいものが確実に手に入りやすい優れもの。送料がついてしまうから、多少値段が高くなってしまうけれど。


 でも、わざわざお店に行かなくて済むし、そのお店に良い服が無かった場合、別の店舗を回る必要がある。


(ちょうど柚梪も隣に居るし、時間もある。柚梪に似合う服が無いか、調べてみよう)


 そして、スマホであるショッピングサイトを検索し、そのサイトを開く。

 適当にアカウントをログインして、早速服を探し始める。


 検索欄に、『女性用 私服』と記入し、決定ボタンを押すと……様々な女性用の私服が、ズラッと表示された。


 今は夏の季節だからか、夏用の服が多いな。


 大量にある服の中をあさっていると、ある1つの服に目がついた。


 薄い灰色を主体とした、半袖と前ボタンが付いていて、首元にあるえりは白色の薄着に、同じく薄い灰色主体のスカート。スカートに関しては、先端に白の細い線が2本施ほどこされているだけの、いたってシンプルだ。


 模様が全くないシンプルなデザインだが、明るめの灰色と言うこともあり、柚梪にピッタリだ。

 それに、服自体も女の子らしさをただよわせている。まるで、セーラー服のように。


 柚梪に試着してもらえないのが、ネットの痛い所だな。


「柚梪、今柚梪用の服を見てたんだけどさ、これどう? 俺は柚梪にピッタリだと思うんだ」


 隣に居る柚梪に、服の画像を見せる。すると、画像を見た柚梪は、目を少し見開いて2回頷く。


 顔を見た感じ、少なくとも嫌では無いようだな。


「そうだな……他にも色々あるが、どれも普通だな。とりあえず、この服を2着ほど買っとくか。またお金が入り次第、新しい服を買えば良いし」


 次はパジャマだ。


 パジャマに関しては、夏用はズボンだけで良いだろう。上に着ている灰色のパーカーは、案外柚梪が気に入ってくれて、毎日着ている。同じパーカーを3着買っておいて正解だった。


 長袖で少し布も分厚いから、夏とは相性がよくないが、特に暑がってる様子は無いし、このままでも良いだろう。


 とりあえず、ズボンに関しては……夏用に白混じりの灰色半ズボン。冬用は、モコモコとしたねずみ色の長袖上着と長ズボン。


 あれ……?なんか、灰色系ばっかりじゃね?


 柚梪には灰色が似合うとは言えど、さすがに別の色もあった方が良いだろうか?

 いや、今は考えないでおこう。いずれ柚梪を店に連れてって、好きなのを選ばせてやればいい。


 よし……私服にパジャマはカートに入れた。あとは……下着。


 検索欄に『女性用 下着』と記入し、決定ボタンを押そうとするが……なんか犯罪を犯しているような気分になって仕方ねぇ……!


 グズグズしても仕方ない。腹をくくって決定ボタンを押す。すると、たくさんのブラジャーや、パンツと言った下着が、俺のスマホ画面を埋め尽くす。


 検索してしまった……


 考えても仕方ないから、俺はとりあえず履けそうな下着を3着ずつほどカートに入れる……まて、下の方は多分問題無いが……胸のサイズだと……?


 柚梪はまだ成長段階……胸自体は膨らみ始めているが、どのくらいまで大きくなるのか分からない……どうする?とりあえず、少し大きめのE……いや、Dにしとくべきか……?


 悩む。頭がパンクしそうなほど考える。もし大きめのを買っても、胸がそこまで膨らまなかったら?買った意味が無くなってしまう。


 悩みに悩み抜いた結果……柚梪の胸は、少なくとも大きくなるのは間違い無いだろうから、大きめのサイズを買っておこう。


 柚梪……頼むから、早く1人で買い物が出来るような体になってくれ……男の俺には限界がある。


 上と下を3着ずつカートに入れ、会計をする。当然少し値段が高くなってしまったが、まあ予算内だし良いだろう。


 さて、後でまたコンビニに行って、支払いをしなかれば。とりあえず、これでしばらくは過ごしていけるだろう。


 あとは、支払いが済み次第、注文した品が来るのを待つのみだな。

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