第1章 千年紀の終焉

第10話 遺跡

森の中を4人の男女が歩いている。


まだ20代にも満たない少年少女達は草木が鬱蒼と茂る中、不安定な足場に気を配りながらある場所を目指していた。


「ねえ、本当にこんな所にあるの?」


先頭を歩く小柄の少年に対して、後ろにいた茶髪の少女が疑念交じりの問いを投げかける。


「本当だっての!ありゃかなりデカかったぜ!」


「だけどもしの連中がいたらヤバいんじゃ…。に関わった奴は子供でも殺されるってリーダーが…」


茶髪の少女の後ろにいた眼鏡を掛けた少年がそう言いながら辺りを不安そうに見つめていた。


「大丈夫、この前来たときは人っ子一人いなかったし!今んとこ誰もいねえよな、クティーア?」


「うん、誰もいない」


最後尾にいたの少女が当たりを見渡し、確信を持って異常が無い事を伝えた。


その先も、深い森の中を突き進み歩き続ける4人。


後ろの4人を除いて、先頭の彼はまるで冒険でもしているかのような高揚感を胸に抱きながら足早にそこへと向かう。


そして、それは確かにそこに存在した。


「わあ……」


「な?」


森の中に不自然に木の生えていないエリアがあり、目的の物は森に覆い隠されるように横たわっていた。


とても巨大で、重厚。


「武骨」、それ以外にこの物体を表せる言葉は無かった。


「これが…


「すごい!まだ手付かずでこんな物が残ってるなんて!」


「金属で出来てるのかな、この遺跡」


4人は間近で初めて見る遺跡に興奮しながら駆け寄る。


そこらの貴族の豪邸よりも大きそうなサイズの遺跡は、地面に半ばめり込んでいるが露出している部分だけでも見上げる程に巨大だった。


「見て、文字みたいなのが書いてある」


「何て書いてあるんだろう?」


遺跡の両側面に大きく描かれた「4109」の文字を見ながら単眼の少女と眼鏡の少年が首を傾げる。


「そんな事より中に入る方法探すの手伝ってくれよ!」


「あ、うん!今行く!」


4人は、入り口を探す為遺跡の周りを歩き始めた。

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