「どんな色になりたい？」

「私は赤色が良いな、真っ赤な夕陽の色」

「どんな色になりたい？」

「私は夜の色、暗闇に満ちたとばりの色」

　私達の羽根を更に輝かせる為金鉱石の粉を振りかけさせよう。もし上手に出来たならば私達ふたりで何か褒美を遣わせよう。

　もし生まれ落ちることができたなら。

　もし私達ふたり同時に陽の光を浴びることができたのなら、これ程にまでに素晴らしいことはないのでしょうね。

「ねえ、リリア」

「ええ、メリナ」

　そして私達は長い眠りの旅に出る。私達ふたりどちらかの脈動が絶えるその時まで。ほんの少しの時間よ、愛しい貴女。必ずふたりでふたつの光に溺れましょう。

　そして生まれ出でた美しい二羽のハルピュイアは二頭一対、赤漆の翼を宿していた。

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