第3話 よく似た

「ねぇこれ!」

奈々美が靴を持ってきた。

「これって⁉︎」

「梨華ちゃんの」

まさかの梨華の靴が見つかった。片方だけだ。

「じゃあやっぱここにいるのか」

ヒュルルルルルルルルルルルルルル

「?」

ドサッ

「うわぁ⁉︎」

突然人形が落ちてきた。人型だが服は着ておらず、ところどころに線が入っている。さらにのっぺらぼうだ。

「何これ…」

「ねぇ早く出ようよ」

「キューブがないんだよ!」

と彼女は言おうとしたらしいが、なんと人形が持っていた。青い正方形で、菱形のマークが入っている。

「これがキューブか…」

「あと3つ?」

「そうだね。早く見つかればいいけど。あと梨華」

ふと床を見ると、青色になっていた。













しばらく進むと、宙に浮かんだ球体の上に梨華が乗っているのを発見した。

「いた!梨華だ」

「え⁉︎どこどkあいた!」

2人は球体の下に来た。よく見ると球体は眼球の模様が入っていた。

「どうやって行こう」

「起きてよ梨華ちゃーん」

全く反応がない。

「どうしよう結衣」

「ちょっと待って今考えてる」

結衣は奈々美の背負っていたランドセルに、防犯ブザーが付いていることに気づいた。

「これなら」

ビビビビビビビビ

「うるさぁぁぁぁぁい」

凄まじい大音量だ。しかもかなり反響する。

「…やっぱりダメか」

結衣はがっかりした。

「…ってあれ⁉︎」

見渡すと何故か壁があった。さっきまでなかったのに。

「ねぇ怖い」

「わかってるよ私だって怖いよ」

一瞬暗くなった。と思ったらまた明るくなった。と思ったら、なんと隣にいた奈々美が消えていた。

「えぇ⁉︎」

そして目の前には自分によく似た人がいた。いや、全く同じ服装、顔、髪型で、違うところといえば目が赤色ぐらいだった。

「え?」

何もしてこず、ずっとそこに突っ立っていて、瞬きすらしないその姿は、どことなく恐怖心を煽る。

と思ったら、銃を構えた。

「え?」

ズドン

弾は顔を掠った。

「いった!」

奴は不敵な笑を浮かべると、倒れ込んだ彼女へ近づいてくる。彼女はランドセルを構えながら後退りした。

「ねぇ結衣!」

「え⁉︎」

気がついたら、目の前には奈々美と梨華がいた。

「え⁉︎ここは⁉︎…さっきのところか」

「ねぇ見て!キューブが3つも集まったよ!これを嵌めればいいんでしょ?」

「え⁉︎ああありがとう。って2人だけで行動したの⁉︎ダメでしょ何かあったらどうするの」

「ごめんなさい」

「私を起こしてからね。まあこんな経験二度としたくないけど」

立ち上がると、3人は隙間があった場所へ向かった。

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