第4話

その後店の中を回っていると、若い女性が店の中のから出てきた。

「いらっしゃいませ」と挨拶されたので、私は会釈して返した。女性が「博士、さっきの件鈴木さんに連絡つきました」と言った。店主は返事すると、「そちらのお客さんがロボットを買いたいそうだから、案内してあげなさい」と言った。女性は分かりましたと言うと、私に近づいてきた。私はドキドキしていた。店主が「それはロボットだよ」と言った。私は驚き彼女の全身をみた。女性らしい首筋やふっくらとした胸は女性そのものだった。女性は笑ってニコニコしていた。私は思いきって胸を触ろうと手を伸ばすと寸前で手を叩かれた。私は即座に「どんなロボットがありますか?」と言った。彼女は「売れているのは話し相手ロボットです」と答えた。「あなたのように上手く答えてくれますか?」と尋ねると、彼女は「私は人間です」と言った。私が再び彼女に手を伸ばそうとすると、笑いながら後退りした。私も途中で手を引っ込めた。彼女はニコニコ笑っていた。目の前にいるのは人間のように見えるけど、私は彼女がロボットなのか人間なのか依然と判断ができなかった。「あなたはいくらですか」と尋ねると、「私は売り物ではありません」と言って笑っていた。もう一度「あなたのように上手く会話ができますか?」と言うと、「ユーザーとの会話が成立するように話してくれます」と言った。「例えば?」と私は続けた。「例えば、ユーザーが映画好きなら映画の話をしてくれます」「映画と言っても範囲が広いのでは?」と言うと、「キーワードを自らネットでも検索して、また自らも会話を学習するから、徐々に違和感は無くなります」と言った。「ロボットもネットに繋がっているのですか」と尋ねると、「もちろん」と言った。「私でない誰かが遠隔操作もすることも可能ですか?」と私は尋ねた。彼女は「設定次第では可能です」と答えた。「誰かが乗っ取って、急に私を攻撃することも可能ですか?」と尋ねると、彼女は「設定次第ですね。しかしそうならないように博士がサポートしてくれますよ」と言った。彼女はニコニコ笑っていた。博士が「攻撃されるなら、その前に電源を切ればいい」と言った。「今までそのような事例は?」と私が尋ねると、博士が「ない」と強く言い切った。私は来週また来ることを伝えて店を出た。

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