第5話 イチャイチャ謀反

しかしその。

幼馴染の代わりとはどういうこった。

俺は思いながら心臓をバクバクさせながら登校する。


それから元康の軍隊に攻められていた。

それはまあ.....その2時限目の中休みだが.....。

何してんだコイツら。


「お主というイチャイチャ謀反は打首に処す」


「いやお前。イチャイチャ謀反って何だよ.....」


「お主と一緒に美少女が帰っていたという謀反を聞いた」


「.....ああ.....成程な.....」


これは厄介だな。

俺は思いながら顔を引き攣らせる。

すると男子生徒が跪きながら、殿、と言う。


それから、謀反を起こした挙句に今朝はまた別の美少女と登校していたという知らせを聞きまして、と報告する。

馬鹿野郎。

とんでもないものを殿に報告してどないすんねん。


「決定じゃ。打首じゃ。貴様は」


「やってみるがいい。貴様という奴は」


そんな言い争いをしていると。

何しているの?、と背後から声がした。

そこには流星が立っている。


紙袋を持って、だ。

俺は?を浮かべてから見る。

周りの男子生徒達も女子生徒達も、また特進クラスの姫が!?、と唖然とする。

するとそんな事はお構いなしに俺の腕を掴む。

そして俺を引き寄せる。


「捕まえた。エヘヘ」


「.....!?」


「貴様コラァ!謀反じゃぁ!!!!!」


「「「「「うぉおおお!!!!!」」」」」


喧しいわお前ら!!!!!武士か!?、と思いながら俺は流星を見る。

流星はニコッとしながら、行こっか、と言ってくる。

何処に!?この状況でよくスルー出来んな!?


俺は思いながらもそのまま引っ張られて行く。

武士達は、ギロチンでも用意するか、と息を吐いていた。

お前ら日本武士道はどうしたんだ。



「えっとね。恥ずかしいから。はい」


「.....これは.....お弁当?」


「.....うん。お弁当。男の子の分は大きい方が良いかなって思ったから大きなお弁当箱も買いに行った」


「.....マジに作ってくるとは。.....有難いけどな」


屋上にて受け取る。

それから赤くなっている流星を見る。

流星は俺に対して幸せそうな目を向けていた。

俺はその姿に恥ずかしくなる。


「何でそんな顔をするんだ?」


「.....え?」


「だって幸せそうな顔だから」


「.....ぇ!?そんな顔をしていたかな!?」


「うん」


真っ赤に染まりながら耳も真っ赤にしながら。

目の前をあおぎ始める。

俺はその姿にまた可愛く感じた。

それから少しだけ見惚れてしまったので慌てて話題を変える。

お弁当有難うな、と。


「.....うん。私が作りたいって言ったから」


「.....そうだな。.....でも本当に嬉しい。お弁当作ってくれて」


「.....それで.....その。もし良かったら一緒に食べませんか」


「.....え!?」


俺は再び真っ赤になりながら目の前の流星を見る。

その2人きりが良いです、と言いながら。

そんな言葉に、でも忙しいんじゃ?、と言うが。

流星は、全然そんな事無いです、と話した。


「.....むしろ歓迎かなって」


「.....そうなのか.....」


「.....」


「.....」


ああ言葉が出て来んぞ。

どうしたものか、と思いながら流星を見ていると。

流星は、私達姉妹って同じなんだね、と呟く。

俺は?を浮かべながら、それはどういう意味だ?、と聞くが。

ううん。何でもない、と言葉を濁した。


「.....負けないかなって。そう思っただけ」


「.....???」


さっぱり分からない。

だが.....何か熱意は感じられる。

何の熱意かは知らないが。

思いながら見ていると、そろそろ休み時間が終わるね、と笑顔になる流星。


「.....そうだな。.....御免な。時間を潰してしまって」


「ううん。.....4時限目の終わりに屋上で待ってる」


「.....そうか」


「うん。でも何も思わないでね。私は.....貴方の幼馴染だから」


「.....へ」


俺は見開く。

そして流星を見る。

流星は、言っちゃった、と頬を持つ。

俺は赤面した。

まさかと思うが一星さんに聞いたのだろうか。


「.....うん。幼馴染になるって聞いた」


「.....!」


「だから私も幼馴染だよ」


「.....」


その真っ赤になってしまうのですが。

リンゴみたく、だ。

俺はあまりの甘さに気分が好調した。

危ない.....これは。

毒リンゴ以上に危険に甘すぎる。


「お、幼馴染さんみたいになれれば良いけど.....でも。先ずは.....ね?ミチル」


「.....呼び捨て!?」


「だって私の名前だって呼び捨てだよね。じゃあ私もミチルで」


「.....わ、分かった.....」


こんなに流星が可愛いとはな。

俺は思いながら赤くなって流星を見る。

そして屋上を後にして俺達は戻ってみると。

目の前にアルミホイルで作ったそこそこ大きなギロチン作品が.....。


いやお前ら何やってんの?時間の無駄だろマジに。

当然だがこれは次の時間の教師に怒られた。

かなり目一杯に、だ。

馬鹿か.....。

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