第4話 幼馴染(仮)
一番星と流れ星。
俺は2人共に凄まじく良い名前だな、と思いながらそのまま眠る。
そして翌朝になった。
起き上がってから活動を始めた。
今日は.....何というかスカッとした朝だ。
「あ。お早う。お兄ちゃん」
「おはよう。真理子」
「今日は早いね。どうしたの?」
「.....特に何もないが目が覚めた」
そして俺は朝食を食べる。
真理子が用意してくれた朝食だ。
俺は欠伸をしながら、でもやっぱ眠いわ、と言う。
それはまあお兄ちゃんにしては早起きしたからね、と言ってくる苦笑気味の真理子。
「.....私も今度テストがあるんだよね」
「.....ああ。そうだったか。.....頑張ってな」
「うん。何というか頑張るよ。.....後悔はしたく無いしね」
俺達は言いながら笑みを浮かべ合う。
そして飯を食ってから俺は色々と準備してから。
そのまま高校に登校する為に玄関を出る。
すると.....目の前の柱付近。
そこに何故か一星さんが居た。
「.....お早う。どうしたの?こんな朝早く」
「そ、それは.....先輩もですよ。早いですね」
「.....俺はまあ偶然だよ。.....一緒に登校する?」
「は、はい!」
一星さんは嬉しそうに俺を見てくる。
そしてそのまま登校を始める。
すると直ぐにこんな言葉を発してきた。
お姉ちゃん.....昨日は大丈夫そうでした、と。
俺は、そうか、と返事をする。
「.....有難う御座いました。本当に.....先輩居なかったら.....私は悲しかったでしょうね」
「.....そうだな。.....死んでも良いこと無いしな。自殺しても」
「.....ですね。.....それをお姉ちゃんに聞かせてやりたいです」
「そうだな」
それから俺達は見合う。
よく見ると何だか一星さんの顔が赤い?
俺は思いながら首を傾げた。
何で耳まで赤くなっているのだろうか。
「.....その。.....お姉ちゃんにお弁当作ってもらうんですよね」
「.....そうだな。.....何だかよく分からないがそういう感じになった」
「.....私は料理が下手くそなので.....だからお姉ちゃんが羨ましいです」
「.....ああそうなのか」
一星さんは言いながらがっくりと肩を落とす。
俺はその姿を見ながら、まあでも料理出来なくてもそれも個性だと思うしな、と言葉を発した。
すると一星さんは、そう言ってくれるんですね、と笑顔を浮かべる。
少しだけ聖母のオーラを纏っているその姿にドキッとした。
「.....先輩は優しいですね」
「.....そういうのは個性だって思っただけだよ」
「ふうん。お姉ちゃんが惚れる訳ですね.....私もですが.....」
「え?何か.....声が小さく.....」
「な、何でも無いです!」
聞こえない上に怒られた。
理不尽だな、と思い顔を引き攣らせる。
でもそれも可愛い。
プイッと横を向いてしまうその顔を見る。
一星さんはそれから口を暫く聞いてくれなかった。
だけど駅前に来た時。
「幼馴染さんの自殺を止めたそうですね」
と口を開いてきた。
俺は!と思いながら、知ったのか、と聞く。
すると、はい。小耳に挟みまして.....すいません、と言う一星さん。
その姿に、内緒にしていてくれるか。すまないが.....、と告げた。
「.....幼馴染さんとは.....生き別れたとは聞きましたが.....」
「何処で何をしているのかも全く分からない。.....だから今の俺にとってはもうどうでも良いかなって」
「.....そうなんですね。でもそんなの良くないですね」
「.....何がだ?」
命を救った幼馴染さんと会話が出来ないなんて、と話してくる。
俺は、ああ。その事か、と言う。
それから俺は空を見上げてから鳥が羽ばたくのを見ながら。
切ったのは自分だよ、と話した。
「.....え!?仲を切ったのもですか?」
「.....そうだよ。.....幼馴染と言っても付き合うのは大変なんだよな。それに引っ越してしまうから.....もう当時の通信手段は無いし会えないと思ったし.....良いかなって」
「.....そうだったんですね.....」
「.....でも後悔はしてない。.....命を救えただけでもう十分だ」
「.....じゃ、じゃあ.....その」
立ち止まる一星さん。
俺は?を浮かべて一星さんを見る。
すると一星さんは、私達が幼馴染さんの代わりでも良いですか、と言ってくる。
俺は!?と思いながら目を丸くする。
「な、何故に!?」
「えっと。そうしたいからです」
「えっと.....いや。良いけど.....」
何だかよく分からない。
近頃の女の子は、だ。
俺は???を首を傾げて浮かべながら一星さんを見る。
一星さんは赤くなりながら、エヘヘ、と言っていた。
どういう事だろうか。
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