幕間 〇〇クッキング
この時代に生まれて驚いたこと。
それはご飯は炊くものではなく煮るものだということ。
何を言っているかというと、ご飯を炊くという文化はない。米を煮て余った煮汁を捨ててから蒸すという手法が一般的らしい。
もしくは、もち米を蒸すことでおこわにして食べているんだ。
さらに言うと白米ではなく玄米・雑穀中心。確かに精米機械なんてないだろうしなぁ。
一応、臼で精米したり、水車を使ったりしていることはあるらしい。今後の検討課題にしよう。
とにかく僕は玄米でもいいから炊いたご飯が食べたい。
煮たご飯は日持ちするらしいけど微妙に口に合わないんだよなぁ。
ということで鍛冶師に炊飯窯を作ってもらいました。
きちんと木の大きな蓋も付けて貰っています。
ちゃんちゃらちゃちゃちゃちゃちゃちゃら~ん♪
九郎の〇〇クッキング~
さて今日の料理はご飯とお味噌汁。
白米は準備できなかったので玄米、出汁が用意できなかったので小魚を干したものを煮だして一応の出汁を準備しました。
さて今日の料理を手伝ってもらうのは茜さんです。
茜さんには味噌汁の具材を切ってもらいましょう。
さて僕はご飯を炊きましょうかね。
初めちょろちょろなかパッパ 前世で飯盒炊飯した経験が生かせます。
窯で炊いたことはないけどね。
・・・・・
湯が吹きこぼれるけど蓋を開けるのを我慢して、さて炊けたかな。後は20分ほど蒸らして完成だ。
その間に味噌汁を作ろう。
秋に切ってもらった野菜と出汁を鍋に入れてっと。
沸騰したら火から離して味噌を入れてっと、味噌が溶けたらちょっと火にかけて完成。
味噌を入れてから沸騰させると台無しだからね。
3分じゃ出来ないけど料理かんせ~い。
ご飯をよそってと。ん?ちょっと緩かったかな。
まぁいいや。味噌汁をよそってっと。この時代にも味噌汁はあるんだよ。
出汁が高いから出汁を入れる習慣はなさそうだけど。味噌のお吸い物?
煮干しの出汁もいいけど僕としては鰹節を作りたい。作り方は知っているから生の鰹を手に入れるために土佐(高知県)か五島に行きたい。
薩摩(鹿児島)の坊津に行けばあるかな?枕崎が鰹の街になったのって遠洋漁業出来るようになってからだっけ?
まぁいいや。とりあえず完成。
いただきま~す。
うん。米にちょっと芯がある。炊き方が悪かったか、水につける時間が短かったかな。
茜さんも美味しいですか。
「ふぉってもおふぃしふぃ」
何言っているかか分からないけど、ご飯を描きこみながらしゃべらないの。
飲み込んでからしゃべりなさい。
「とっても美味しいです。」
そりゃあ良かった。
僕も食べようっと。
ごちそうさま。おいしくいただきました。
ご飯の炊き方は今後の研究課題だな。
・・・ 別の日 ・・・
今日は何を作ろうかな。
この時代には砂糖が貴重なのでもち米を使った麦芽水飴を作ろうと思う。
助手は引き続き秋さんです。ん?秋と藤も手伝いたいとな。
いいでしょう皆でやりましょう。
まず発芽したばかりの麦芽を砕きます。
さて3人娘よ。この麦芽を擂鉢を使って砕くのです。
逃げようとしては行けません。水飴が食べられなくなりますよ。
・・・・・
さて次にもち米を炊きます。
この炊いたもち米を混ぜながら少しづつ砕いた麦芽を入れていきます。
数時間かかる作業になりますのでじっくりと行いましょう。
さらっとした感じになったら一旦火からおろし、一晩寝かせます。
3人娘はばててしまっていますが、明日も頑張ってもらいましょう。
・・・ 2日目 ・・・
昨日作成した煮汁をさらにじっくりと煮ていきます。
この時 焦げ付かないようにじんわりと煮るのがポイントです。
・・・・・
やっと煮詰まってきましたね。
これで火からおろし、完成です。
冷めたら箸にくっつけて食べましょう。
ほらケンカしないの。平等に食べさせてあげるから。
作ってみたけど大変だな。量産したかったけど無理だなぁ。
「はいは~い。提案があります。」
はい 茜さん。
「後家さんやお年寄りの稼ぎにしたらどうでしょう。補助金?だっけの制度を作って初めは援助しないといけないでしょうけど、出来た者は若様が買い取ればいいんですよ。」
おぉ それはいい考えだなぁ。
水飴が増えてきたら水飴を使った料理大会が出来るかもな。
よし、その案で行こう。茜、実施よろしく~。
「ちょっと若様。1人は無理ですよ。」
よし、藤と秋もつけてやろう。旨く行ったら水飴食べ放題1年でどうだ。
「「「わかりました。」」」
こうして豊田の荘周辺で水飴作りが盛んになるのだった。
3人娘は水飴を食べ過ぎて丸々となり、揃って減量に勤しむことになったそうな。
めでたし?めでたし。
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