第21話 私の初めてを貰って下さい!
あの後、特に何かあったわけではなかった。普通にご飯を食べている時も雑談に花を咲かすとまでは行かずともそこそこ会話は弾んだ
普通にご飯を食べ終わり普通に片付けを済まして、普通に一緒にテレビを見ながらぐーたらして過ごしていた。
しかしいざ帰宅しようかと思いフォルテにその旨を伝えると、
「あ、あのさ!今日お泊まりしていかない?」
「え?いや、悪いよ。それにフォルテも一人で気持ちを落ち着けて、明日からはまた一緒に過ごそうよ。」
「い、いや、あの・・・さ、寂しいんだよね!だからさ私的にはお泊まりの方が嬉しいんだよね」
「う~ん、だとしてもお泊まりはなぁ、着替えや寝るスペースもないしなあ~。じゃあもう少しお邪魔してようかな。」
「ほんと!?じゃあさ、お風呂入ってよ!ね!着替えは私の高校のジャージがあるからさ!ちょっと小さいかもだけど、私って元々Lサイズ買ってたから」
「あ~うん、ありがとう。じゃあお言葉に甘えるね。」
その後、俺は脱衣所で服を脱ぎ、風呂に入った。まるでカラスの行水並の速さで体を一通り洗い、俺が風呂に入っている間に置いてくれたであろうフォルテの高校のジャージを恐る恐る着た。
「めっちゃ良い匂い」
なんてこの部分だけ切り抜いてみたら、ただの女子のジャージの匂いを嗅いでいる変態だが、すぐにやめ、脱衣所を後にした
―現在―
「私の初めてを貰って下さい!」
「・・・・・・・」
なんて言ったら良いんだろうか。
今俺の目の前には綺麗な髪をなびかせて、バスローブに身を包ませ綺麗な土下座をしている美少女がいた。
しかし俺がこの状況を理解しきる前にフォルテが付け足す。
「私は、あなたとお付き合いを始めるということで、心が繋がった気でいました。しかし勘違いでした!私はあなたと身体と繋がることで完全にあなたとすべて繋がりたい!お願いします。私の処女を貰って下さい!」
「・・・・・・・・」
え?え?そういうのは男からリードしていくんじゃないんですか?男からリードしてムード作ってそういう感じに発展していくものじゃないんですか?
いや、正直嬉しいかどうかと言うとめっちゃ嬉しいよ。けれども考えてみてくれよ。
1日の疲れを癒やした風呂上がりに開口一番に初めてを貰って下さいって・・・・・うれしさより困惑が勝つよね?
しかし返事をしないと場の空気は進まない。俺の選択は――――
「――――んむ!?」
俺が返事をする前にフォルテが俺にキスをしてきた。
「ん.れろ、きちゅ」
しかも結構ディープな。
「ん~~~~!んむ~!ぷは!はぁはぁ、な、何してるの急に!」
「あのね私は本気でゆーくんを愛しているし、本気でゆーくんと繋がりたいの。ムードで押し切りたいとかじゃないの。だから改めて言うね。私の初めてを貰って下さい。」
「・・・・・」
そうか。フォルテは勢いに身を任せているんじゃなくて本気でそうしたいと望んでいるんだなら俺も慌てずにその気持ちに応えないとな
「ちゅ」
今度は優しく触れ合うキスをした
「フォルテありがとう。」
そういって俺はフォルテをハグした。そのままどちらともなく寝室に向かった。
「愛しているよ」
「ゆーくん」「フォルテ」
[10000PV感謝]疎遠になっていた女友達がヤンデレになって襲ってくる みことやけん @VAMOSmikotoyaken
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