第35話 首輪とリード
俺は彼女たちの幾星霜の再会に熱くなる目頭に目を閉じ堪えながら、腕を組み、壁に背を預けたまま、うんうん、と頷いている。
「ねぇねぇ、みつにぃ、なにしてるの、ばかなの?」
ツキはいつの間にか横にいて脇腹を突っついてくる。いやん、やめて。
「彼はきっと、男として、大人としての余裕というのを見せているのよ、恥ずかしくてみっともないから辞めなさいなんて思っても口にしてはダメよ、こういう時は女として男を立たせて自尊心を保ってあげるのが良い女になるための秘訣なのよ」
ツキを追う形でそんなことを言うおしゃべりさん。
「ごめんみつにぃ、なかったことにして?」
「もう無理だよ!!」
「じゃ、じゃあ、穴掘ってあげるから……」
「入れと!? お兄ちゃんは外に出せないほどの恥部なんだからどうぞ遠慮なく入ってくださいってことなんだ!!」
「そ、そこまで言ってないよ……?」
じゃあなんでそこで目を逸らすのですかツキさん。
「私気になったのだけど、國満くんと咲月ちゃんの今の関係はどうなっているのかしら? みつにぃって呼ばせているのは國満くんの趣味?」
「ち、ちちちちちちちちがうよ? 俺達はほんとに兄弟なんだぁ⤴」
何故か声は上ずり挙動不審になってしまい嘘っぽくなってしまった。
「な、なあ、ツキ? そうだろ?」
真実味を持たせるために証人の発言を促す。あれ、これだともっと怪しくなってない?
「あ、そういえば思い出したの! ご都合主義展開だった! やった!」
……ツキさんはいったい何を言ってるんだ、早く俺の発言に真実味を……
「五十嵐さんとは知り合いだったのね、あなたたち」
大広間にいる師匠を見て黒奈瀬は言う。もうこの話は良いんだね。
「師匠のこと知ってるのか? そうだな、会ったとき話すつもりだったんだけど、師匠は俺とツキの危機を救ってくれた恩人で、今は二人でこの世界の在り方と戦い方をご教授してもらっている最中だ」
そこまで言っていったん言葉を切り、二人と師匠の傍まで行くことに。
「すみません師匠、待たせましたね」
「いいや、気にするな、それに元々こんな早く終わる予定じゃなかったんだ」
「そういえばそうですよね、何か問題でもあったんですか?」
「いや違う、まったく逆だ、なさ過ぎたと言っていい、……種子は既にあり、芽生えるものは開花前、あと必要なのは光と水……まァ要するに、咲月嬢は元々才能があったってことだ、代償はあったがな」
「へへ、すごいでしょ? あたしみつにぃより強くなっちゃった!」
ま、まじですか……ほんと? うそだぁ、嘘だと言っておくれよ……
「あら國満くん、もう兄としての威厳も立場もないじゃない」
「どうか憐れまないでくれ、そんなものは元から無かったんだ」
「可愛そうに、私の胸に飛び込んできてもいいのよ? 慈しみをもって慰めてあげるわ」
「ありがとう、本当にどうにもならなくなった時の最終手段として取っておくよ、今は頑張ったツキのご褒美代わりに抱いてあげてくれ」
「ええ、わかったわ、さっきもしたばかりだけど私の
「お姉ちゃん!」
まさに抱きっ! って感じでツキは飛び込んで行き、きゃっきゃっと熱く抱擁を交わし合う二人。
ああ、時を止めてその光景をぜひ絵に描いて飾りたい、題名はそうだな『百合の華』で。
「あたし前からお姉ちゃんにするなら墨音ちゃんがいいなって思ってたの!」
それは初耳だ。
「ふふっ、奇遇ね、私も前世から妹候補は咲月ちゃんだったわ」
それは知ってた。
「お兄ちゃんがみつにぃで、お姉ちゃんが墨音ちゃん、……てことはあたし、天才じゃん!」
「ええそうよ、文武両道、頭もよくて運動神経もよくてピアノも出来る、アインシュタインもいつもより舌を30センチ伸ばしてびっくり稀代の天才さんよ」
「やった、あ、でもそれだと稀代の変な人になっちゃうね!」
「そうね」
そうね、じゃないだろ、否定して? まあいいか、二人にはそこでイチャイチャしておいてもらおう。
話を戻そうと師匠を見てみると、なぜだか目頭を押さえている。
「ど、どうしました? 埃でもはいりましたか?」
「おじちゃんもう歳かもしれねえよォ……」
「何言ってるんですか師匠……」
「おっと、すまん、話の続きだな、咲月嬢はこのままお嬢と一緒に残ってもらい國満は今すぐ魔界ペルガモンに直行だ」
「……俺はいいですけど、師匠は休まなくていいんですか?」
「ああ、何の問題もねえよ、睡眠時間は三十分も取れりゃ充分だ」
「短いっ! それ鬼神族とは関係ないですよね、ああ、ということただの(?)超ショートスリーパーですね……しっかり六時間の睡眠は必要な俺としては羨ましいです……ところで師匠と黒奈瀬って面識があったんですか? お嬢って黒奈瀬のことですよね?」
「ああ、前に推薦状を渡しにちょっとな」
「推薦状……?」
「まァ、いいんだよ、そんなことは追々分かる、今はさっさと行くとしよう、サタンが寝ちまったら門が消えちまう」
言って師匠は着いてくるよう俺に促し、寝かされた門前へ。
「あれ、閉じてますね?」
どうやって開くんだろう? と考えていると背後からとたとたと足音、ツキは俺と師匠の間で元気良く手を広げる。
「開けごま!!」
「ははっ、ツキ、そんなので開く訳ないだろう?」
あ、しまった、これお決まりじゃ、と思ったところで重く響く音、開門と共に隙間から漏れ出る紫の光。
「まじかよ」
「クハハハハッ!! サタンの愛ある配慮だな」
「行くのね、國満くん」
「ああ行ってくる、ツキを頼んだ、自由奔放だから目を離さないようにしてくれ、あとツキも、黒奈瀬を頼んだ、すぐどっかに飛んでくから、二人とも互いに首輪とリードでも付けておいてくれ」
俺の言葉に二人は相槌を打つ。
扉は既に開き切っている。
「そうだツキ、これ返しておく、ファンレターと栞付きだ」
立膝にしゃがみ込み、懐から取り出したポシェットと洋封筒、黒い羽根をツキの胸元へ、ツキはそれぞれを大事に受け取る。
「預かってくれてありがとね、うん? この黒い羽根ってなんの羽根? すごく綺麗だね、……あとファンレター?」
「はい、読ませていただきました梓川先生、洋封筒は俺からの感想で、羽根、栞の方は堕天使の翼から落ちた物です」
「ふーん、……えっ……、み、みちゃったの?」
「そうですね、見ちゃいました、一方は半分までしか読めませんでしたけど」
ツキの顏は徐々に上気していく、照れてるのかな? それとも怒ってる?
「み、みつにぃのばかあ!! きらい!!」
「……え? ぬわっ!!」
ドン、と肩を押された、バランスを崩し後ろへ倒れ込む、当然その行く先は背後の開門した扉、暗闇の中である。真っ逆さまだ。
「うわああああああ!! そんなああああああ!! お兄ちゃんを嫌いにならないでえええええええええ!!」
上方からのツキの姿は見えない、俺を追う形で師匠だけが降りてくる。
……これはあれだ、俺は無事教訓を学んだという事か……はは、約束を破るのは良くないね! 気を付けよう!
堕ちてゆく暗闇の最中、そんな悔いても悔やみきれない後悔をした。
……いつの間にか俺は、仰向けになって大小二つの赤月の浮かぶ紅い空を見上げている。
そんな空には数多に敷かれたレール、巨大な機関車が蒸気を上げ走っていく。
前照灯が網膜に痛い、回転する車輪に繋がれた主連棒と連結棒は忙しなく動き、汽笛の長音はその存在を主張させる、目で追うのも億劫になるほど果てしなく連なる客車の車窓からは、角の生えた人影達がこちらを睥睨し、手を振ってきた。
その人影達に手を降り返し、立ち上がり辺りを見回すと、どこまでも広がる赤銅色の地面、なにも無いと思われたその殺風景な景色の最奥には、まさに魔王城と言ったような禍々しい影がひとつ。
「……ここが、魔界ペルガモン? 魔力濃度が強烈だな、魔力酔いで吐きそうだ」
胃の収縮を感じ嘔吐しそうになる口元を手で押さえながら足を踏み出そうとしたところで――
「直に慣れる、ここからまだまだ段階も上げていく予定だ」
声の発生源、いつの間にやら後ろに居た師匠へ振り返る。
「……えっと、サタンさんはどこですかね? 師匠と一対一の修行ではないですよね?」
「ああ、今に来る」
魔城の方向から大地を震わす咆哮、翼と尾の生えた影が空に舞う、地からはワラワラと汽車にいたものと同じ影等が這い出て音のない喝采を上げ始めた。
【鎮まれ餓鬼共よ】
頭上に来た巨大な影はその声ひとつで口のない影等を黙らせる。
【我が名は魔の王であり魔の神ネオ・サタン。未だ殻に閉じこり、目覚めの産声を待つ其は堕ちし反逆の天族である】
影等はその言に恐れ慄いたように見えた。
【非礼を詫びる必要はない、地に失せよ】
魔神はその羽風と命で影等に消失を与え地へと還した。
最後の羽ばたきと、師匠の傍へと降り立った魔神は言う――。
【眠いわ】
ああ……なるほどね、さっきの咆哮はあくびだったのか……
「すみませんねサタンさん」
【良い、ツキちゅわんはどこだ】
「あん? 咲月嬢なら別れたばかりだろ」
【忘我(忘れた)】
今なんか変な意訳入った?
「サタン、刀が一本入用だ、出せるか?」
【愚問(当たり前だ)、怠惰(ちょっとめんどいけど、まあ、我神だし、偶には下々の頼みも聞いておいてやろう、我神だし)、――
天から何かが迫り来る音、風切り音、一筋の銀の輝きを放ち地に突き刺さったのは一本の抜身の刀と、カランと落ちた鞘。
師匠は礼を言って刀を抜き取り鞘に納める。
「前に渡した対巨神獣は持ってるか?」
「ええ、もちろん持ってますよ」
柄を懐から取り出し刃を展開。
大剣の方は当たり前だけど使わないのか、教えてもらうのは刀だし。
とその前に、俺は刀を地面に突き立てる。
「師匠、いえ、五十嵐喰也さん」
「あん? どうした改まって」
「……ありがとうございます。俺とツキにここまでしてもらって」
腰を折り、改めて頭を深く下げる。
礼節の大切さ、礼儀はこの身に叩き込まれている。
「これで俺はまた強くなれます、もうなにも失いたくないから、俺は強くなります」
「…………お前ら兄妹は似てるな……頭をすぐ下げるくせして全てに重みがある、……顏を上げろ國満、いいんだよ、……何回か言ってることだがこれから借りは返してもらうんだ、……それによ、これは俺が勝手にやったことで、俺自身の、己のための償いでもある、力を抜け、これからの修行に差支える」
少しの間、俺は顔を上げた。
魔神、ネオ・サタンに視線を移す。
【我に礼は要らぬ、なぜなら我は神だからだ】
それは理由になっているのだろうか……でもそういうことならいいか、ここで無理に押し通すのも逆に無礼になりそうだし。
突き刺していた刀を抜く。
「……そうだな、さっそく一戦交えてもいいが、まずはこの世界の在り方の一つを教えておきたい……國満、お前は……殺気についてはどう思う」
「……殺気? ですか、抽象的ってイメージしかないですけど、前世の師匠はそれらしい感覚はあるって言ってましたね、なにしろ目を閉じたまま飛んでくる矢を掴むぐらいとんでも爺さんだったんで」
「オイオイ、あっちの世界でそれは随分例外だな……殺気についての俗説は多々ある、普通は抽象的なイメージであってる、が、だがこの世界はな、殺気がより具体的に、顕著なものとなり、感じること、感じさせることが可能だ」
「具体的ですか」
「あぁ、そしてその殺気の質量を決めるものは、単純な魔力量が三割と、……一番肝心な部分、残りの七割を決めるものは過去のトラウマ、そのストレス量、その根深さにより決まる」
「……なんか、嫌な世界ですね」
そうだなと肩を落とす師匠。
「この殺気は放つと同時に幻、ある景色を見せるため、パノラマとも言われてる、……この見せる景色と、付随する効力は個人によって違いがある」
「パノラマ……付随する効力ですか……」
「まァ、実際に体験してもらった方が早いな」
師匠は刀を肩に担ぎこちらを見据える。
「見せるのは一部だけだ、國満なら大丈夫だとは思うが全開で行っちまうと耐性がなければ良くて気絶、悪くて気が狂い廃人になってしまいかねん」
「怖っ!」
「行くぞ、意識をしっかり保つことを心がけろ」
「わかりました、なにされるか分かりませんけど頑張ります! よし、来い!!」
気合の入った俺に応えるように、師匠の気配が一変、ぐらりと歪み映し出された桑の実色の景色と、巨大な鬼の幻影に、頭蓋を握り潰される、脳を強烈に揺さぶられる。
「あ゛ァグ、ァァアア」
圧迫する鬼の手に頭を押さえつけられ地面に伏せることを強制させられる。
刀を杖の要領で立ち上がろうと試みるが、頭が割れるように痛い、トラックにひき潰されるように痛い、一瞬の出来事ではない、ゆっくりと、徐々に迫りくる崩壊を知覚する。
「――ここまでだな」
いつまでも続くかに思われたその苦痛からの解放。
「カハァッ! ハァッハァッ、……き、キツイ、……これ、ツキにも体験させたんですかっ……」
「いや、全く別のことを教えてる、パノラマについては言葉でそれとなく教えただけだ、必要ないからな、咲月嬢には」
揺れる頭を押さえつつ立ち上がろうとすると軽くたたらを踏む。
「……そうだな、まずはこいつを仕込むところから始めるとするか、剣術は最後にしよう、結局、性に合ってるのは剣術より体術の方みたいだしな、教えることは無いとはそいつはあっちの世界での話だ、この世界にはこの世界のやり方ってモンがある、手っ取り早くその極致に指を掛けさせてやろう」
そこで言葉を一区切り、続けて言う。
「よし、時間が惜しい、國満には一旦死んでもらうがこれはまァ、荒療治みたいなモンだ、てなことでサタン、魔力濃度を引き上げてくれ」
「ハイ? いまなんて言いました?」
【案ずるな、苦しむことはない、死は瞬きの間である】
そうして俺は、一回目の
■■■
体感時間はどのくらいだったか、修行を終え、開かれた門から神殿内部、その地面に手を掛け無様に這い出ていく。
「1000回しんだ」
これは決して比喩ではなく、1000回死んだ、体内からの内部破裂321回と、師匠の刀の錆にされたのが448回、サタンさんに慈悲もなく殺されたのが225回、拙者も混ぜよと参上した闖入者に6回、きっちり1000回さっ! うん? なんで数えていたのかって? 数字でも数えていないと気が狂いそうだったからだよ! 死んで生き返った俺は果たして本当の俺なのか? みたいな哲学を考え始めた時はもう終わりだと思ったよ! 【なに、心配はいらない、ここは魔界、我の内部よ、再生は無制限、魂は引き留めてある】とか言われたけど逆に怖かったよ! だって間違って離しちゃったらどうするの? 幽体離脱してそのまま召されちゃったらどうするんだよ! 『だが自我は保っておけよ、魂が壊れちまったら引き留めるも何もねえからなァ、クハハハハッ!!』……大変良い経験になりました。
「あ、みつにぃ帰ってきた!」
「お疲れみたいね」
「……ああ、つかれたよ」と、立ち上がる気力もなかったので目の前に走ってきた来た二人を見上げて言う、ジャラッと、金属の擦れる音…………んんっ? ちょっと待て。
「あの……その首輪とリード、どうしたんですか……俺と会わない内にいったいなにが……」
黒奈瀬とツキは互いに首輪を嵌め金属製のリードを掴み合っている、それはとても異様で特殊な光景と言えた。
「だってみつにぃが言ったんじゃん、首輪しておいてって」
え、ええ? 確かに言った気はするけどまさか……
「真に受けたの!?」
「ええ、危なかったわよ、この四日間衆目に晒され続け、何かに目覚めそうになるのを必死に耐えていたんだから、昨日の夜は特に……ね」
「や、やめてよ、墨音……お姉ちゃん……あれは……えっと、無かったことにして? 恥ずかしいよ……」
「まって何があった!? すごい気になるよ俺!!」
何故か元気が漲ってきた、滾ってきたあ!
「えっと、お二人さんはいつからここに? というか今四日って聞こえたけどそんなに経ってたの? ……だとしたらショックなんですけど……俺手間掛かりすぎじゃ……ツキは一日で終わったというのに……」
「ねえねえ、お師匠はどこいるの?」
「あ、ああ……師匠ならペルガモンで仮眠をとってから戻ってくるらしい……」
と言って立ち上がろうとしたところで、――カチャッ。
「…………おい、黒奈瀬、これはなんのつもりですかね?」
今まさに俺の首に着けられた首輪とそこに繋がれた二つのリードを触ってみると意外とつくりが凝っていてちょっとやそっとじゃ壊れそうにない。
「ふふっ、お似合いよ、こっちは私がもらっておくわ」
首輪から垂れた一本のリードはそう言った彼女の手の中へ。
「じゃあ、あたしはこっち」
ツキも倣って余った一本をしっかりと握りしめる。
「國満くんにはこの二本をあげるわね」
しゃがみ込んだ黒奈瀬とツキの首輪に繋がったリードは、呆ける俺の右手左手とに硬く結ばれる。
「みつにぃ離さないでね」
「離さない、というより離せない、なぜかって? こんなに硬く結ばれてるからね、ほら見てみろ、血管が締め付けられてる……」
……何をしてるのこの子達……
「ほら行くわよ」
「ヴェッ! ちょっ、引っ張るな!」
空に手を掻いて前のめりに慌てて立ち上がる。
「主従関係ってやつだね、みつにぃ」
「この場合誰が主人で誰が下僕なのか分からないけどな」
目の前にあるのはジャラジャラとうるさい繋がれたリードだらけの異様な光景。
「主人といえば、咲月ちゃん眷属化したそうね、私にもして欲しいわ、今にでも」
「え? 今? 流石にこの状態じゃ無理だろ、それにシュチュエーションもおかしいし」
「なら寝込みでも襲ってちょうだい」
「それこそおかしい!」
「あたしお腹へっちゃた、はやく帰ろうよ、もう夜だよ」
……なんか自由だなあ、二人とも、状態的には縛られてるけど。
「俺達このまま帰るのか……?」
「うん!」
「何を今更、あたりまえじゃない」
至極当然といった風な二人、そんな彼女らは困る俺を見て楽しそうだった。
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◎魔力酔いについて。
外界の魔力濃度が自らの魔力許容量を超えると身体、精神に影響を及ぼす。
レベル1
身体の熱量の上昇、脳の麻痺、伴い判断能力の低下、身体制御が効かなくなる、その姿はまさに酒に酔ったような状態。
対処としては魔法の行使による魔力の排出。
レベル2
レベル1の状態は続き、幻覚、頭痛、内側から破裂するような感覚に見舞われる。
レベル3
突然の発狂、気絶を繰り返す。
レベル4
排出量、魔力許容量を超えると、身体はブクブクと膨れ上がり、何れ暴発へと至る。
魔力許容量は器であり皿のようなモノ、許容量を超えると亀裂の入った音が聞こえる。この音が危険度メーターの限界値とされる。
レベル4は自然界では起こりえない。
例外、魔界などの特殊な場所、特殊な精神魔法などで起こりうる。
器は適切な鍛え方で育てることが可能。
例、魔法の行使、他、自己の魔力許容量、その限界の魔力濃度に当てられると大幅に膨れ上がる。
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