第11話 (仮)駅員の日常3
3日目。
「おはようございます。運動もして身体起こしてきました」
3度目の正直というのだろうか?今日の俺は昨日より少し早く起きて、外で軽く体操してから、着替え。朝食のち駅舎に向かった。
駅舎では今日も駅長(柴犬)が待っていた。ってか、駅長(柴犬)たちは駅舎に住んでいるからな。出勤は楽だよな。部屋のドア突き抜けたらそこが仕事場なんだから。まあ俺も駅舎を出て、少し歩いたところに泊まっている寝台車だからめっちゃ近いが。通勤時間40秒くらいだし。
「うん。よし、朝ご飯は食べたな?」
予想通りだ。絶対また何か新しいことを入れてくるだろうと考えた俺。今日は先ほども言ったが、ちゃんと軽くだが朝食を食べてきた。これは嘘ではない。ちゃんと食べたから問題なしである。
「食べました」
「——うん。面白くない奴だ」
先を読んで行動したら面白くないと言われた俺だった。いやいや、そろそろ普通に仕事したいんですが。いやそりゃ――この2日間みたいにのんびりもいいけどさ。のんびりばかりも――なんだよ。
「仕方ない。今日は清掃をしてもらおう。電車なんかほとんど来ないから基本清掃が仕事だからな」
するとめんどくさそうに駅長(柴犬)がそんなことを言ってきた。って、だからさ。俺が言うのもだが。新しい駅員必要なかったのでは?である。
って、やっぱり駅長(柴犬)がなんやかんや言っているが優しいということになるのか?
「烏森さん。今日は一緒に掃除しましょう。あっ、おはようございます」
俺が少し考え事をしていると、足音が聞こえて来て、どうやら話が聞こえていたのか。着替えた汐ノ宮さんも駅舎へとやって来た。
「おはよう。じゃあ、教えてもらおうかな」
「はい」
「ならん!椎葉ちゃんはわしのマッサージじゃ」
ここは予想していた。俺と汐ノ宮さんが少し話していると。駅長(柴犬)がそんなことを言い出したが――まあね。もう3日目この後起こることと言えば――。
「カピバラさん。ペンギンさん。お願いします」
汐ノ宮さんの声にまだここへは来ていなかった2匹が反応した。駅舎内の部屋の方でガタガタやらゴトゴト音がしたと思ったら……。
「承知」
「任されました!あっ、薫さん。椎葉ちゃんおはよう」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁあああ!」
目にもとまらぬ速さで、カピバラさんが飛び出してきて、一度俺達の前で止まって一言言ってから外へと突っ走っていった。ちなみに駅長(柴犬)は既に居ない。既に元気に外を走っている。などと俺が思っていると、ペンギンさんも俺達の前で挨拶をしてから――「さあ朝の運動っと」そんなことをつぶやきながら――やはりペンギンのダッシュとは思えない速さで2匹を追いかけていた。
「——ぬわぁぁぁぁぁぁぁ」
どこからかは悲鳴が聞こえてきているが。元気なあかしだ。
カピバラさんとペンギンさん今日も駅長(柴犬)を追いかけまわしました。俺はその間に汐ノ宮さんに駅舎内の掃除。簡単に駅舎内の説明をしてもらった。まあこちらの事を言えば平和な1日だったな。途中お昼には駅長(柴犬)以外が戻って来て楽しいランチタイムもあったし。午後は午後で午前中の続き。というか。掃除するところもそんなにないので、駅長(柴犬)やカピバラさん。ペンギンさんのご飯について汐ノ宮さんに聞いたりして過ごしたのだった。まあなかなか楽しい仕事内容だったな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます