第4話 キツネのお姉さん


 確実に怒ってるって思うぐらいに人を怒らせたことないし、ないはず。

 そんな初めてを知らないお姉さんに奪われました。はい。


 なんて、そんなふざけれる余裕はなくて、やばいと思ってるからふざけるしかないのか、、、


「ねぇ、あなた。もしかして……見えるのよね?」


 もう目と鼻の先まで近づかれてる。近いです近すぎですいい香りですね。

 綺麗と表現するしかないその顔は、少し吊り上がった目にまつ毛長っ! すっと通った鼻筋に八重歯が見え隠れする口。シャープな小顔に眉毛キリッ! 美人さんですね!! 


 それにキツネ耳としっぽはまだ見えてるし、、、


「あ~、、、見えてるかもしれませんね、もふもふの耳としっぽが」


「……そう」


 とだけ言ってOLさんはスマホを取り出し、


「少し時間を頂けるかしら。そこで話しましょ」


 指を指すのはファミリーレストラン。

 人生初逆ナン⁈ なんて喜べる余裕はない。


「、、、はい」


 気持ちは放課後なぜか、厳つい先生に職員室に来いと言われる感じ。

 実際それと同じ状況だけどね、思い当たる節があるだけで、、、






「それで? あなた、精霊?」


「すいません。なにも知らないんです」


 そんなわけでパフェおごって貰いました。そして質問攻めになってますボクが受けです。ほんとになにも知らないんだけど。


「知らない? なにも?」


「はい。2日前に高熱を出して、昨日それが突然治りまして。その時にはなんかふわふわが見えたり、お姉さんの耳としっぽが見えたり、、、」


「ふわふわ、、、? ああ、妖精のことね。あなたはそっちも見えるようね」


「妖精? でもあいつらは自分を精霊だって」


「ああ、そこも知らないのね。じゃあ、少し教えてあげるわ。


 精霊とは、あらゆるものに宿る魔力、に魂が宿ったもの。かしら。以外と説明難しいわね。万物の根源をなすものとか言われてるし。ここにも存在するけど、別次元にいるから見えない触れない。人間たちのなかで広まったのはつい何世紀か前ぐらいの話だからいろいろ解明されてることは少ないしね。

 私たちも精霊よ。獣のね。精霊が元となる動植物を依り代にこの次元に顕現するの。俗にいう妖怪もこれにあたるわ。

 まあ私は違うけど。そろそろ空狐になるし。

 妖精はそれこそ精霊そのものよ。妖は元となるものが存在するけど、妖精は自然現象を元とする超自然的存在が形を得たものってところかしら。自然現象を元とするのにこの世のものではないというわからない存在よ。私もまだ見えてないし。あなたも存在そのものはすでに……。いやいいかしら。


 まあ、今はこれくらいでいいでしょう。あなたには妖精が見えるということは、、、

妖精と会話できるのよね? そう、それなら声をかけてやると良いわ。力を貸してくれるかも。あまり必要ないでしょうけど。それに、、、

 それとここは私が出すわ。先に払っとくわね。それじゃ」



 教えるだけ教えて、金もお姉さん持ち。イケメンか? 財布取り出す暇もなかった。名前も聞き忘れた。


 外はすでに真っ暗。もう危ない時間帯だ。補導対象になっちゃう。考えるのは家に帰ってから。ふわふわも今はいいや。


 いろいろ教わったけどあまり理解できなかった。

 超自然的存在が現代の科学でも証明できないってことぐらいしか。





_______________


どうも、作者です。薬飲んで気分いいです咳が止まりまゴホッゴホッ!

精霊、妖精に関しては個人的解釈です。詳しい方いらっしゃったら教えてください。キツネのお姉さんの容姿も個人的解釈ですキツネってこんな感じかなって。正直、キツネのお姉さんを出すか、鬼のお兄さんを出すか、迷ったのですがキツネダンスを見てたのでキツネになりました。


  


 




 

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