第2話 目が覚めると


 ふわふわ

 

 清々しい朝だった。


 嵐のあとの被害にあっけにとられる、とかじゃなくて。

 

 ほんとに、昨日までの苦しみは何だったの? て感じ。


 薬無くても治るんだ、、、


 ふわふわ


 それと俺の周りにふわふわ浮かぶこれなんスカ?


 色がついてる触れられないわたあめみたいな?


 無数にあるわけじゃなくて、


 赤、青、緑、黄色、黒、白って200色あんねん。


 なら無数にあるかも。


 目が覚めたら、体はすこぶる調子いいし、目の前になんかふわふわがいっぱい浮いてるし。


 目をごしごしやっても消えない。なら本物すわ。


 なにかわかんないものは諦めて、歯磨き朝風呂朝食トイレ。


 どこにでもいるのな、ふわふわ。


 そろそろ目が覚めて本気で気になってきた。


 

 ふわふわついてわかったこと。


 青色は水場に多い。 トイレやお風呂、洗面台の近くとか。


 緑色は窓の外にいっぱいいた。あと、部屋のなかのサボテンにもいっぱい。


 黄色と白は光の元にいた。LED。


 黒は部屋を暗くした途端、蠢きだした。ちょっとこわかった。


 赤色は予想通り、キッチンにいた。くわしく言うと電子レンジ、ガスコンロ、IH。火に関連するところにいるのか?


 そしてふわふわは動く。ゆっくり動く。触ろうとしたらよけてく。触れないのに。そしてまた近づいてくる。遊んでるのか?


「なあ、お前たちは何なんだ? 真っ黒クロスケ色違いか?」


『『『僕たち(私たち)は精霊だよ』』』


「しゃべれるのな、、、驚いたわ、意思疎通がとれるのは」


 精霊か、、、

 だが精霊ってなんだ? お化けか? 悪い奴らではないようだし。


 あの高熱のあとから見えだしたが、たぶん今までも一緒に過ごしていたのだろう。

 害があってもどうしようもないが。触れないんだし。

 いや話し合いならいけるか?


 まあ、保留で。

 ほんとどうしようもないんだから。

 ふわふわ浮いてるだけだし。

 どうやらほかの人には見えていないようだし。

 

 挙動不審の変質者とは思われたくない。

 



 


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