第6話 新しい仲間 (契約は慎重に)
朝。お日様の光で目覚めたひなは、顔を洗って着替えをしました。
「朝ごはんなににしようかな」
ひなが小さな冷蔵庫を開けたら、なんと、中はからっぽだったのです。
「おなかすいたけど、食料なにもない」
どうしよう。小説書く前に食料調達しないと……。
そう思った時、ベッドの側から「ガサガサッ」と音がしました。
「ゴキブリ⁉」
「失礼な!」
のそのそとラッピングを破り、中からぬいぐるみの熊?が出てきました。
「まったく。いつまでも包まれてるのって苦しいんだ。いつまでも見つけてくれないんだから」
「誰? っていうか何?」
ひなは、混乱していた。ぬいぐるみがしゃべっているの?
「ボクは君のパートナー候補。君が、かくよむで生きていけるようにサポートするのが仕事さ。さ、ボクと契約してよ」
ボクと契約してよ? ひなは昔見たアニメを思い出しました。
契約をすると魔法少女として魔女と戦わされ、最後にはなぜか魔女にされるあのアニメを!
授業でも聞いています。
『契約は慎重に』
だまされてはいけません。あのアニメのように。
「違うから! 魔法少女じゃないから!」
クマは必死で言います。
「ボクはこの世界を案内するだけ。契約してくれると、君と一緒に外に出られるんだ。君にとってはメリットしかない。お願い。契約して!」
ひなはまだ疑っています。このクマは、プリキュ○側か、まどマ○側か。善と悪。正反対です。
「語尾が『モフ』って言わない。語尾が普通。という事は……」
「だから、魔法少女じゃないから!」
その時、どこからともなくヒラヒラと紙が落ちてきました。
「そのクマは、私からのプレゼントよ。大事にしてね」
クマは言います。
「ほら、女神様もこう言ってるよ。早く契約して」
(うさんくさい)ひなは余計にそう思いました。紙には、名前も書いてないのですから。
「これで信じろって言うの? 契約書はちゃんと読まないとだまされるって言われているのよ」
大事なことです。契約は慎重に、契約書は丁寧に読まないとだまされるだけです。そんな事聞いていない、と言ってもあとの祭りです。
「でも、ボクは本当に君のサポート役なんだよ!」
クマは必死に説得を始めました。
結局、特別に女神様が現れて、「私からのプレゼントよ」と説明を受け、いろいろ質問し、納得が出来てから、ひなはクマと契約を結んだのでした。
契約はよく読んで、慎重にしましょう。
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