第2章 かくよむ国のクマ

第5話 ここは私のおうちでしょうか?(充電大事)

 目をあけると、そこは夜の平原。月明りでぼんやり周りが見えるのがありがたい。お祭りでもやっているのか、遠くに光の集まっている様子が見えます。


「この小屋にはいっていいのかな?」


 ひなが小屋に入ってみると、すぐに電気のスイッチがありました。明かりをつけると、小屋というより小さな住まいができるきちんとした部屋みたいです。ベッド、机、イス。小さなユニットバスとささやかな調理スペースもあります。


「素敵なお部屋。一人暮らしにちょうどいいわ」


 ひなは、ベッドに乗ったりお風呂を確かめたりしました。一通り確かめたところで、今日は寝ることにしました。


「いろいろあって疲れたから、今日はいいよね。明日から本格的に活動しましょ。でもその前に……」


 ひなはノートパソコンを机に置き、スマホを充電しました。


「せっかくあっても、充電切れじゃつかえないものね」


 そうつぶやいてから、シャワーを浴びて歯磨きをし、押し入れにあったパジャマに着替えて寝ました。


 ベッドの側で何かゴソゴソと音がしているのですが、疲れていたひなには気づかれませんでした。

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