第34話 ヨリ復活

「反魂丹とは、人体に必要なアミノ酸20種類を効率良く吸収出来るよう調合し練り固めた丸薬です。

 強壮剤とは、高麗人参を主成分にロイヤルゼリーや人体細胞を活性化させる為各種強壮薬を配合した細胞再生薬です。

 反魂丹と強壮剤を同時服用すれば、衰えた体細胞を瞬時に活性化させ瀕死状態でもよみがり若返る事が出来ます」


「説明有り難う!日本語だが異国語にしか聞こえなんだが『反魂丹』とは理解を越えた神薬と言う事は分かった!

 コウモウ▪マルコ!大判5枚で家臣に召し抱える」


「ありがとうございます、ヨリ様の御殿医を勤めさせて頂きます!」

「マルコは戦えるか?」

「オランダ人は皆勇猛果敢に戦います」


 ※日本人はオランダ人の事を風車にチューリップ、のんびりとした牧歌的人々と勘違いして居る人が多いが、昔から今でもオランダ人は大柄で勇猛な人が多い国だ。

 昭和39年開催東京オリンピック、初めてオリンピック競技になった柔道、全階級金メダル制覇を全国民が信じる中、無差別級の巨大なアントン▪ヘーシンク(オランダ選手)に金メダルをさらわれた。

 当事中学生で柔道少年だった作者も唖然としたものだ。

 直後大喜びのコーチ達が畳に上るのを、袈裟固めのまま片手で制し止めた、勇猛だけで無く武人の国でもある。



「そうか勇猛果敢に戦うか、それは良い」

 巨大で強かった親父、それより一回り巨大でたくましいマルコにヨリは珍しく異性を感じ僅に頬を染めていたが、誰にも気付かれる事はなかった。


 14歳ヨリは176㎝になっていた。

 今まで家臣の男で、ヨリよりでかい者はコウガ▪テツ位だった。

 ヨリは好んでマルコをお供に連れ歩くようになった。

 今日も病後の身体馴らしに城下を歩いている、勿論マルコを連れてナオとサルの同行はいつもの事だ。


 モウリ城下は目覚ましい発展を見せている。


 突然ナオとサルが前に出て俺を庇う様な位置に着いた。

 しばらくして乗馬武者がこちらに向かって駆けてきた。

 俺を見て馬を急停止させ転げ落ちる様に下馬、俺の前で片膝を付き大声で言った。

「モウリ大殿!それがしオウナガの家臣マエダ▪イヌチヨ、オウナガの使いで参上致しました!書状はこれに」

(オウナガが、いぬいぬと可愛がっている者がこの男か)

 書状を差し出す男を見て、思い出した。

 書状はサルが受け取り、俺に届ける。

「マエダ殿遠路ご苦労、城内で休憩されよ」

「いえ、モウリ大殿のご返事を頂き即報告に帰ります!有余が無いもので…」

「そうか急ぎなら…無作法だがこの場で書状を読ませてもらう」


 書状には、エッチュウを二分するスギ勢力を駆逐すべく、散弾薬筒の補充をして欲しいそうだ。

「マエダ殿、オウナガ殿に伝えよ!私モウリが『流星隊』と『鉄炮隊』を引き連れ加勢に向かう!!到着を待つようにと」

「はっ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る