第26話 サヨ達の決意

「あっ…あわわっ……本人?…大殿様?」

「おいスケサク!いい加減、正気に戻れ!!冷静沈着何事にも動揺せんのが、忍であろう」

「あう!そうだった!姉ちゃんありがと、オレ行くわ…恩は有るけど依頼に寄れば、次に会った時は殺し合いになるかも…」


「スケサク、良い機会だナオと戦って見せろ!ナオは甲賀首領の姉、強いぞ」

 俺の声掛で、ナオはクナイを投げようとした。

 瞬間スケサクは飛び上がり、ナオの右肩に片手前転、空中で体を捻りナオの背後を取った。

「みご…」見事と俺が声を掛ける前に。

「戦うなら、忍び装束に着替えて良いか?」

 惚けた質問を言って来た「……いや、実力は分かった」

(戦えと言ったのに、何もせず終わり?)スケサクは、無意識に動いただけで、戦ったつもりが無かった。


「スケサク、スケサ身軽…以後サルトビ▪スケサと名乗れ!

 モウリ国に年俸大判で雇われないか?サル!」

「へ?サルトビ▪スケサ?格好良い!名字許された?武士に取り立ててくれる?……大判!!是非宜しくお願いします!」

 サルは、体術は凄いが、何かバカっぽい、流石金で動く伊賀忍者、高額雇用に即決した。


 以後ヨリは、サルトビ▪スケサを、サルサルと便利に使い可愛いがった。

 ナオとサルは、常にヨリに寄り添い、手足になって働いた。





 優しいおじさん達の死に、落ち込んで居たサヨ達、自分で乗り越えるしかないと、そっとして置いたが、何か思うところが有ったようで、朝の鍛練に出て来る様になった。


「サヨ!良い動きするようになったな」

「頭!シンスケやサスケ達のお手本になろうと、頑張ってる」

「シンスケ達、まだ落ち込んでるのか」

「何か恐くなったと言ってる」

「そうか、俺も毎回戦に出陣するのは恐いぞ」


「うそ、頭に限って…私達を元気付ける為?嘘でしょ」

「あのな!死ぬかも知れん戦場に出掛けるの、恐怖感じん者は居ないぞ!

 恐怖を打ち払う為に、剣術の鍛練に励み、敵に勝利する工夫をする!

 例えば、サヨ達が発射手伝ってくれた『雷神』や『流星』それに新兵器『鉄砲』など武器の開発、有効な利用法考えるのも恐怖を打ち払う為だ」


「そう、なんだ…恐くて当たり前か……そうだ!頭、シンスケ達鉄砲隊に入れてやってよ!」

「そうだな、サヨも含め3人組みで鉄砲隊やって見るか?」


 新兵器『鉄砲』を支給され、シンスケとサスケは大喜びだった。

 サヨを小隊長に任命し、3人は遊撃小隊とし発足した。

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