第24話 討伐完了一時の平和

「家臣や領民が笑顔で暮らせるなら、敵対者を全て討ち滅ぼし俺が地獄落ちするのは覚悟の上だ!」

 俺の勢いに、言葉を無くしたクソ坊主達。


「撃てぇ!!皆殺し、一人たりとも撃ち漏らすな!!!」


 豊富な『薬筒』(薬莢)銃声が響き、クソ坊主の屍を量産してる。

 宗教絡みの狂信者どもは厄介だ、誰に何と思われようが、愁いを残さない徹底的排除は必要だ。


『火星』による一気に燃えあがった延焼は、昼過ぎ一気に消えた、燃える物が無くなった延暦寺、自然に鎮火所々に燻りを見せるだけになった。


 放置しても、アワア山は元の山に戻るだろう。

 お宝は、全て高温延焼で燃え尽きている、高温で溶けた金銀を煤だらけになって漁る気はせん。


「全軍帰還する!!」

 勝鬨もせず、俺達はモウリ城に向け、帰還行軍を始めた。


 大八車4台に満載していた『火星』殆ど消費して、身軽になった俺達の帰還は4日で国境に到着、街道両脇の芋畑から芋を調達、焼き芋にして皆で食った。

「リスケ悪いがイサオ村長に、一言芋の事言って置いてくれ」

「はっ!旨い芋だったと誉めて置きます!!」

「銀判5枚程、褒美に与えて置け!」

「殿?多過ぎです」

「そうか?旨かったし、ユウリ村の芋を食うと帰って来た気がする」


 何もする気に成らん、当分ブラブラ過ごすか。




 アワア山延暦寺消滅と俺の悪評は、一気に全国に知れ渡った。

 仏閣を焼き討ちした『魔人モウリ▪ヨリ』だそうだ。


 モウリ軍の桁違いの強さを、世間に知らしめた結果、一時の平和が訪れた、流石にシツコイ、イケイケ衆のチョッカイも暫く止んだ。





 ※甲賀衆は史実で、近江おうみ琵琶湖の南を支配する、六角衆に使われて居たが、この話では甲賀の里は飛騨の外れに有った。


 ※伊賀は近江の南に、史実通り位置する。

 日本では無く、異世界なので「そうなんだ」と流して下さい。

 伊賀者は甲賀者と違い、給金で雇える。




 俺は今ナオと城下を歩いている。


「殿様!今日は生きの良い干物が入荷しました!!」

(干物に生きが良い悪いが有るのか?謎が増えた)

「城に届けて置いてくれ、夕飯に食する」

「へい!毎度!!」


「殿、凄い賑わいですね」

「関所を廃止、出入り自由にした結果だな」

「それじゃ、情報探り放題だよ」

「情報は流れるだろうが、入ってもくる」

「甲賀衆の敵、伊賀者も大勢来てます」



「農業用水路で、子供が遊んでおる。

 おい!子供一人で水遊びするな!!」

「殿?溺れて居るのでは?」

 と言い残しナオが用水路に飛び込んだ。

「溺れ…」

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