第17話 忍の里から来た娘

 モウリ砦はユウリ隊100と、アケミツ大将に任せた。

 俺達は、ハンベ軍師とセタ達護衛隊55人、コブ達兵器開発職人10人、それにタキさん達女衆と子供達も、ナガス城改めモウリ城に入城した。


 10村2町がナガス領地だった。

 普通城主に、町長村長の目通りは許さんそうだが、先にモウリ領になった6村の発展にあやかりたいと、新領地の村長町長が「お目通りお願いします」とやって来た。


 目通りを許すと、城下町の顔役を先頭に14人の村長、町顔役が通された。

「町顔役3人に10村の村長は分かるが、最後に控えて居るお女中は何者?」


「便乗謁見失礼します!わたくし荒瓦こうがの里から参りました、ナオと申します」

「荒瓦?そうか…暫し待て」


 機密保持の為、取り合えず村長達に帰って貰う。

「顔役、村長達、開発は考えて置く!個別に豊かにして遣る!協力してくれ!」

「「「「「「「「「「「「「はっ!宜しくお願いします!」」」」」」」」」」」」」


 13人の顔役達、一応目通りが叶い満足して帰って行った。



「さて、ナオ待たせたな!荒瓦こうがの里とは、忍の者か?」

「はっ!ご推察すいさつの通り、私は女忍者『くノ一』に御座います!私の開発した、火筒を手土産に御登用願いたく、お目通り願い出致しました」

「固てぇな!物言い普通にしてくれねぇか、話難はなしにきぃ」

「へ?」

「忍者なら情報掴んでるだろ!大名に納まってしまったが『群盗団』の親玉が俺だ!」

「ふふっ…モウリ٠ヨリ様は面白い!流石私が見込んだお方」



 ナオが献上した火筒とは、木製の筒に火薬と鉄玉を仕込んだ物だった。


「面白い仕組みだ、後ろの摘まみを引っ張り、横のポッチを押すと火打ち石がぶつかり、火薬が爆発鉄玉が発射される…か、木製だから使い捨て単発……これを中空の鉄筒に換えたなら、火薬と鉄玉を新に仕込めば再発射可能だな……よし!!ナオ!召し抱える!!年度給金大判で良いな?」

「思った通り殿様、火薬を知ってる…給金頂けるので?それも大判?是非!!それ以上の価値ある働きしますよ!」


 こいつは、拾い物だ!交渉して『荒瓦こうがの里』丸ごと配下に召し抱えるのも悪く無いかも。

「開発部所に案内する!着いて参れ」

「はい!殿様」


「しかし、良くも考え造れたものだ!これは画期的武器だ!」

荒瓦こうがの里に昔から有る、狼煙のろし発煙筒はつえんとうを参考に改良致しました」

「狼煙ならば、木製筒でも用は足りて居たのか、鉄筒の長さ、それと同じで30センチで良いのか?」


(そうか!長距離用火力は『流星』『雷神』『火星』で十分だ。

 今まで無かった、近距離中距離の火力として使えそうだぞ!)


「ナオ、着いたぞ!ここが兵器開発製造所だ」

 内鍵で閉鎖された扉を叩き、声掛けした。

「俺はモウリ٠ヨリだ!扉を開けよ!!」

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