第13話 今度の敵は厄介

「アワア山延暦寺、800年の伝統を持つクソ坊主の巣窟!オウナガ大殿も、苦々しく思って居るとか、真の敵はそこに有り!!」

「殿!神社仏閣には手が出せません」

「小国とは言え、舐められたまま放置では、周囲の国がチョッカイ掛けて来るぞ!」


 皆も思う所は一緒、襲撃されたなら、迂闊なチョッカイ掛けて来たらただでは済まさん!と思い知らせる為報復する、ただし今回は相手が悪い。


「アケミツ、賊の正体はイケイケ宗教、アワア山延暦寺の僧兵に間違い無いな!!」

「はっ!!間違い有りません!全員がこの登り旗畳んで持って居りました!」

 アケミツが拡げた登り旗【南無阿弥陀仏】と書かれて居た。


「成る程、オウナガ大殿から領地を貰った、我がモウリをオウナガの配下位に思っての暗殺隊か」


 イシ山の合戦で、逃げ延びたミヨシとイケイケ一揆に、オウナガは手を焼いているそうだ。

 勢いに乗ってイケイケ宗は、あの合戦を勝利に導いた俺を狙った様だ。

「面倒くせぇが、殺るしかねぇな」



「頭!今度は堂々と僧兵の装備で1000の軍、我が砦に向かい進軍中!!」

 セタが慌てて飛び込んで来た。

「1000の僧兵?猶予は?」

「ユウリ村3日の距離、南街道北上中!」


「3日の距離か…折角順調に行ってる領地の村を、戦場にする訳に行かん!討って出るぞ!!準備せよ」

「「「「「はっ!!!」」」」」

「コブ!流星と雷神どれ程有る?」

「流星600、雷神1000です!」


「…流星500、雷神700持って行け!!コブには火付け役サヨちゃん、サブロには火付け役シンスケ、ゴンゾには火付け役サスケを補助に着ける」


 サヨちゃんは11歳、俺に憧れて居る様で「戦が有れば連れてって」とずっと言ってた。

 シンスケにサスケは、二人共サヨちゃんに惚れてるので、何処にでも着いて行く。

 丁度良いので、安全な位置で戦を実体験させる。



 翌早朝、砦を出た。

 砦の守りは、流星100、雷神300発射担当はタキさん達女衆、と、カケル、タケル中隊20人が守備に着いている。


 ユウリ村から、守りは100を残し、400人が合流、450のモウリ軍は南街道を行く。


 夕方、目的地に到着した。

 この地は一応、ナガス城、タケ٠ツヨリの領地だが、草原に街道が通って居るだけ、街道が破損したなら埋め立て修理して置けば問題ない。

 この位置を取る為、無駄な様な強行軍を行った。


 緩い峠の頂上に、コブ、サブロ、ゴンゾが陣を立て、1キロ先に向け発射菅を設置した。

 サヨ、シンスケ、サスケが位置に着く。


「サヨちゃん、シンスケ、サスケ!明日の本番気楽にやれ!発射菅3本で連射だ、多少もた着いても問題ない!」

「「「はい…」」」

 この子達の初陣、緊張するなと言っても無理だろう。


 綺麗な夕焼け、明日も晴れるだろう。


 遭遇戦は朝飯前に成りそうだ。

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