第7話 敵勢力の襲撃
イシ山戦場跡、ハザマ山と同じく正式に俺の領地になった。
大っぴらに、剣防具の回収が出来る。
近場の上に、女衆を入れると70人近く人手が増えた。
ミヨシ軍本陣辺りの死骸は『流星』に寄るものが殆どだ。
『自走火矢』改め『流星』の威力は凄い!
コブが師匠の面目を掛け何やら製作中だ、サブロにゴンゾの弟子入りは、コブに取っても良い刺激になった様だ。
今回、陰陽師の介入と、勘違いしたミヨシ軍の迅速な撤退で、2000程の死骸が残っていただけだ。
剣は2000程回収したが、鎧は1500程しか回収出来なんだ。
それ程『流星』の威力が凄まじかったと言う事だ。
オウナガ大殿に莫大な褒賞金を貰い、現在の砦の奥、少し高台に小城を建設中だ。
天守閣が3階のこじんまりとした城風の屋敷だ。
小規模なので、3ヶ月で完成する。
親父や、寝食を共にした仲間達の突然の死、俺が辛い位だ、未亡人になった女衆や遺児達はもっと辛いだろう、くよくよ考える間を与えない様、常に何か作業をするよう仕向けた。
近いので、子供達5人にも戦場跡の御宝回収させた。
懐剣や鎧通しなど、子供達が欲しがった物は与えた。
モウリ傭兵団が、荒稼ぎしているとの情報は知れ渡って居るようだ。
この地の西、貧農の村辺りから『ナガス城』の城主タケ٠ツヨリの領地、当然情報は掴んで居るだろう。
親父が決めた、生活ルールそのお陰で救われた。
何時もの様に2時半に起床、身仕度を済ませ訓練場に出向く。
ハンベが既に訓練を始めていた。
「ハンベおはよう!」
「頭おはよう」
その時カチャっと音が聞こえた。
ハンベも気付き音がした方を見てる。
有り難い事に、満月の月明かりに20人程の人影がはっきり見えた。
「敵襲!出合え!!」ハンベのドラ声が響いた。
「気付かれた!相手は二人、掛かれ!!」
襲撃者の頭目の号令で、20人が俺達に襲い掛かる。
俺とハンベは新兵器を使い慣れる為、得物は槍薙刀だ。
相手を、間合いに入れなければ、何人が相手でも遅れは取らん。
襲撃者の得物は70センチ程の剣、170センチ程の槍薙刀を構えると、遠巻きに構えるだけ。
ハンベを忘れている攻撃、あっと言う間に5人程斬り裂かれた。
俺も向かって来る敵3人凪ぎ払った。
やっと応援55人が駆け付けた。
「撤退!!」
残りの11人が逃げ始めた。
逃げる前方にコブ達が、爆裂玉を投げ付けた。
「武器を捨てて降伏せよ!!武士なら捕虜にする」
閃光に爆風、腰を抜かした襲撃者達、カケル、タケルの4番隊5番隊20人が簡単に取り押さえた。
襲って来た者達、結構な手練れだった。
槍薙刀で対応していなかったら、俺もハンベも負けて居たであろう。
統率も行き届き、野党強盗で無く、武士の集団だ。
おそらく、ナガス城の手の者で有ろう。
立ち合った、ハンベの意見も同じだった。
ナガス城、タケ٠ツヨリを敵と見なし、攻防を考える事になった。
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