第2話 親父が死んだ
話は少し戻って、俺が頭になってしまった
皆は俺の事を姫と呼ぶが、僅か20人程の傭兵団、その頭目が親父って事で俺は大層な者では無い。
一応13歳、美女とまでは言わないが、整った顔をしている
ぶっちゃけて言うと、ブスでは無いが女らしくは無い。
もっとぶっちゃけて言うと、皆が姫と距離を置くのは「俺に女の魅力がねぇからだ」一応女ではあるが、細マッチョの巨漢が俺だ。
親父に似て、俺は結構な荒くれ者だ。
戦国の世に女々しくしてたら、男の食い物になるだけだからな。
小娘にしては13歳にして身長170㎝越えている、190㎝と巨漢の親父似で俺はガタイが良い。
食料事情の関係か、この近辺の男達大人の平均身長が160㎝もない。
いつも親父は「ヨリが男だったら」と言いやがる、女で悪かったな!俺も男に生まれたかったぞ。
モウリ傭兵団の朝は早い、3時には皆起きて剣など得意な得物の鍛練を始める。
灯明の油をけちり、夜8時には皆は寝る、早く寝れば早く起きれる訳だ。
3時に起きるのは他に重要な意味がある、敵対勢力が奇襲を仕掛けるのが大体この時間だ、起きて警戒していれば多少は有利だからだそうだ。
毒にも薬にも成らん弱小貧乏傭兵団が、奇襲された事は今まで一度も無いが。
俺も剣を振り回す。
ガタイの良い俺が、大剣を振り降ろすと破壊力は凄いぞ当たればだがな。
俺達は正式に剣術習った事無い親父や皆も同じだ、斬られる前力任せにブンブン振り回せば敵に当たる。
3~4時間みっちり戦闘訓練を行い、まだ飯にはありつけん。
8時まで親父から銘々に指示が出る。
今朝は明日のイマワ2万5千と、オウナガ3千の合戦の打ち合わせ、戦いにも成らず終る今回のイマワ側参戦は、害になるだけで何の参考にも成らんと女衆と共に俺は居残りを命じられた。
やっと飯だ!
二合の飯に味噌汁、煮干しを焼いたのと漬け物を腹一杯押し込む!
親父達は焼き味噌を肴に
物凄い大飯喰らいのようだが朝飯と晩飯一日二食だ、これから活動する為元気を出すには、これ位は喰わないと。
俺達が食い終ると女衆と子供達が飯を食う。
子供達は男2人女3人、6歳~11歳まで5人いる。
ノンビリしてる様だが明日の戦場は山向こうのハザマ山、昼下がりに出掛けて十分間に合う近場だ。
当然2万5千、イマワ勢の要請が有り出撃する。
親父達が出掛けて、間も無く雨が降りだした。
雨は夜通し降り続き、夜が明けても降っていた。
「これは今日の戦は流れたかな?」
昼過ぎにハンベとコブ、セタの3人がボロボロの格好で帰って来た。
「何だとぉ!!親父が死んだ?」
「あぁ、戦場は無茶苦茶だった、儂達の運も悪かった」
親父の腹心だったハンベの話では、親父達は早朝イマワに合流雨で煙る中、イマワの末席に位置する場所で雨を
突然オウナガの人馬が攻めて来て、イマワの陣に直進、オウナガ自らイマワの首を撃ち取り、イマワ2万5千は総崩れ逃げ惑うイマワ勢をオウナガ3千が討ち滅ぼしたそうだ。
親父達は運悪く、オウナガ軍の進行上に位置して居て、逃げ帰って来た3人以外全滅したそうだ。
即俺は判断した。
「モウリ傭兵団、解散する!残った金品を3人に分配する!銘々
「姫!儂は兎も角、コブ、セタは団を離れると生きて行けん!姫が頭を引き継いでくれぬか」
「「俺達も!姫の頭が良いお願いします!!」」
暫し考えた。
タキさん達女衆11人に子供達5人、俺一人で養うのはキツいが、頭の娘として頼まれては断れん!
俺を含め、たった四人の傭兵団を発足した。
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