第14話
塾には体調不良と連絡し、まずは本屋に向かった。東京、しかも歌舞伎町の地図がしっかり書いてある本を見比べしながら購入。
その間も頭の中では畜生と思いながらイライラしていた。要人的な人、身体を鍛えている系の、例えば自衛隊や最悪剣道や柔道の有段者ならともかく。僕はどちらかと言えば根暗でテストの順位だけ気にしているようなやつに連絡ってなんだよ。
そんな感じで彼女たちが話していた内容については概ね信じ始めていた。
マクドナルドでバーガーと水を注文。狭いテーブルで地図を開き、T字になっている道路に赤いサインペンで丸を囲っていった。
「...ダメだ...。」
膨大だ。歌舞伎町だけのくせに30箇所以上ある。でもこれをやらないといけないんだろ?
そう考えて最短で全部を通ることができるルートの検討、それを18分間で回るには自転車が必要であること、但し狭い路地も多かったはずなので一定の速度だとタイムオーバーだ。
相方は必要ではあるが、これを誰が信用してくれよう。冗談でも付き合ってくれるようなやつなんかいないだろう。
他にももう2冊本を買ってきている。流石に殺人はしたくないので精神鑑定の理解と護身術が書かれているものを買った。
精神鑑定は、かの連続幼女拉致殺害の公判で扱われていると報道していたので、その辺の心理的な部分による説得が必要と感じたため。
護身術は正直筋肉のかけらくらいしかない僕にも出来るものをと思い、女性向けのものを購入した。1学期の体力テストの時の反復横跳びだってクラスでブービー賞だったのだから。
僕の武器はそれだけだ。刃物やいわゆるスタンガン的なものなんて使い慣れないし、丸腰の方が最悪「たまたま通りかかって気になったヒト」っぽさが出る。両手を上げて乗り切るしかない。
それが出来なさそうならそいつの特徴だけでもしっかり把握した上で見逃すのが一番綺麗に収まるだろう。
だって命はおしいから。
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