第12話
「あの。」
お互いが黙り合ってから1分は経ったかもしれないし、それ以下、それ以上かもしれない。僕は聞こえた詞歌の声に耳を傾けた。そしてどうしてだかわからないが握る拳の力が少し緩いだ。
「私たち、元の年号を思い出せないんです。」
突然のことはある程度もう慣れたが元の年号とは?
「実はパラレルワールドが徐々に私たちの世界に侵食した事は前回お話しした学者エドガーによって判明しているんです。要するに進んだ年号の世界に私たちは生きていたんです。現在では西暦が主に使われていますが、年号はしっかりとあったのです。それが思い出せなくなっているんです。それだけではなく、元々の我々の天皇陛下が歴史上から消えました。」
消えた?
[あなた方の世界が壊されていっている?]
「その通りです。世界の歴史書からも消えているのです。因みにそのタイムパラドックスが発生していることに気づいたエドガーも目と脳みそだけない状態で発見されています。」
「ただエドガーはただの歴史学者ではなく、生物学にも精通していたおかげで私たちが活動できているの。」
どう言う事だ?
「遺伝子操作はそちらの世界でもご存知ですよね?」
[去年なんか研究しているって話題になった]
わードリー習ったなぁ!と嬉しそうな声がした。ドリーってなんだ?僕にとっては最近の出来事過ぎて高校受験の時事問題で出るかなとかそんな感覚だ。
「遺伝子操作によって生まれたエドガーの娘、フェイがエドガーの知識を全部持っている。そして私たちと接触してきた。」
知識をも遺伝子として誕生させる事が可能なんて、凄い。
単純に凄すぎる。
「フェイだ。」
カタコトだし幼い感じが滲み出ている気がするが。
「彼女は12歳になる。基本彼女は翻訳機を通して話してもらうから安心しろ。そして知能レベルは計り知れないし、大学院卒業済みだ。数学の学者もしている。」
だーめだ、わけわからん。
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