第5話
「こんにちは、過去のヒト。」
なんかのラジオドラマだろうか?
ラジカセの割に凄く綺麗に音が聞こえる。CDを聴いている時のように雑音がひとつもない。そのせいか回していたダイヤルをピタっと止めた。
「これ繋がったけどどうしよっか!相手マイクあるかなあ?えっと日本人に繋げてるから言語そのままで良いでしょ?おーい!!」
なんだか僕に話しているように思えて来た。でもそんなわけがない、だってラジオだし。
「きっとマイクないんだよー。...あ、そっかポケベルの時代か!!!どうしよう!!!...じゃあそうしよっか。」
ピピーっと僕のポケベルが鳴った。
ラジオの話とリンクしていて半分怖い。動悸が酷く、ヘッドホン越しにも僕の心臓の音が聞こえそうなほどだ。
誰からだろう?
[こんにちは!敦久さん!]
驚きすぎて両手で持ったポケベルを虫を掴んだ時のような動作で布団に放り投げた。
信じられない。ポケベルってカタカナと記号だけだろ?なんで?
プチパニックになっていると今度はラジオの方から声が聴こえた。
「あのー、聴こえてるし、メール見れました、よね?そうならばそのポケベルとやらに、お返事書いてください!」
何か得意げな物言いをされてなんとなく警戒心を和らげた。なんだこれは。新手の番組か?
そう思いながら「お返事ください」と言われても...と画面を見た。
基本的にはポケベルって受信だろ?
「なんですって?!ないの?キーボードとか!じゃあどうすればいいのよー!」
って僕に言われても...。
キーボードってパソコンのアレを接続すると送信もできるようになっている機種もあるのか。本当に目まぐるしい成長だ。最近は携帯電話とかいうのも出て来ているらしく、母さんがほしいって言ってたなあ。
「ちょっとこっちのハッキングリスク高いけど、じゃあ机に向かって!」
え?見えてるの?僕のこと?え?
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