神々の船と修羅 ――全裸の美女は神功皇后を名乗り、国民を扇動して政府転覆をもくろむ。彼女を止めることはできるのか――

明日乃たまご

零章 始動

-0-

 奈良県桜井市十二柱じゅうにはしら神社の境内、ふたつの影が岡を見つめていた。


「とうとうあれが発見された」


「発見されるのは時間の問題でした」


「うむ。我々も覚悟を決めなければなるまい。間違いなくオキナガタラシは目覚める。我々も準備にかかろう。まあ、いま発見されたのは天恵かもしれない。私に残された時間は少ない。早く方をつけたいものだ」


「オキナガタラシがどのような心を持って目覚めるか……」


「現実を受け入れてくれると良いが。……幸運を祈ろう」


 2人の影は闇に溶けて消えた。


  ――大切なのは、疑問を持ち続けることだ。神聖な好奇心を失ってはならない―― アルベルト・アインシュタイン

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る