第4話 雪山

 北の山脈の町クグルについた。季節外れの雪が降り出していた。住民に聞くとここでは普通とのこと。ほーう、関心していると、商人が積み荷を降ろしている。中身は生活物資である。そして、積み込むのは毛皮である。この町の産業は毛皮である。


 そして、商人の話では一泊したら、また、ペジタに出発らしい。別れ際に乗せてもらった商人は、ゴブリンを退治してくれたと感謝してくれた。元々、馬車の護衛を条件にただで乗せてもらったのだ。


 さて、ここからは独りだ。雪山を一つ越えた里に血族が住んでいる。占いができるとの噂だが会ってみないことにはわからない。わたしはクグルの町で冬山の装備を買うと出発である。


 クグルの町から、雪山に入ると突然の吹雪であった。これは結界かもしれない。吹雪の中に微量の魔力が含まれている。更に吹雪の中を進むと。魔力の吹き溜まりを見つける。結界の本体はあれか……そう、岩型のモンスターが現れたのだ。

わたしは短剣を抜き構ええる。一瞬、目を瞑り、集中すると。『天殺』で、岩型モンスターを高速で切りつける。


「くっ、手ごたえが浅い」


 案の定、岩型モンスターは岩でできた腕でカウンターを放つ。わたしは得意のスピードでギリギリにてかわす。この手のモンスターは核があるはずだ。まして、結界として作られた者ならなおさらだ。

 

 木を隠すなら森の中……石の核を隠すには岩の中である更に岩型モンスターは攻撃を放ってくる。わたしは上に跳ねると岩型モンスターの頭に踵落としをおみまいする。それは魔力の流れを感じる為だ。そして、一瞬で魔力の流れを感じ取ると核の場所を探す。


「背中か!」


 無事に着地すると再び『天殺』を繰り出す。岩型モンスターの背中に短剣を突き立てる。


 「よし、ヒットした」


 崩れ落ちる岩型モンスターを見つめていると。吹雪が止んで、青空が見えてくる。


 さて、出発だ。


 わたしは『零式』を使い山道を進む。『零式』はその仮想空間で何処にいても繋がっている。つまりは、その情報網で現在位置の確認と山道のルート検索ができるのだ。


 ホント、便利になった。


 おや?開けた場所に出た。遠くに民家が見える。


 ここが雪の民の里か……。


 よし、あともう少しでつくぞ。

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