第10話

ちっちゃい頃から、女の子みたいな体のボクは、今は人魚になっていた。可愛い人魚の女の子になった。


ボクは、大阪の、キラキラしたきれいな海の中にある服飾専門学校に進学した。

学校では演劇部に入って、衣装を作りながら、演劇部のみんなと、ミュージカルも製作している。

スカート、パンツ、シャツ、ワンピース、ジャケットと、学校でいろんな服作りを学んだ。アクセサリーも作っている。

ショーの時も、自作の服を自分で着て、先生方や、みんなに見てもらっている。


専門学校を卒業して、ボクは大阪の道頓堀の、きれいなお堀の中で、洋服屋さんを開いた。

ここで、服やアクセサリーを売っている。

サンフランシスコやパリのお店にも送って、置いてもらってる。


専門学校の時の、演劇部の友達は、大阪の海上に、ミュージカル劇場を作って、ミュージカルをやってる。

ボクは、そこの衣装も担当した。


小学校の教員免許と、中学・高校の美術の教員免許も取得したので、大阪の小学校で教えたり、中学や高校で美術を教えたりもしている。


ボクは、今、人魚になった自分のことを文章に書いている。

ボクは、まだまだ人魚としてのお仕事も、始めたばっかりだし、お仕事の文章を書くことも、この文章で2つ目くらいかも。


ちっちゃい頃から、女の子みたいな体だったけど、人魚になるとは、ちっちゃい頃には思っていなかった。


女子高生になって、富士山に修学旅行に行った帰りに、ボクは人魚になってた。山に登ってたのに、白い霧の中で、海の人魚に。


人魚の先生として、ちっちゃな可愛い小学生の人魚たちに、海の中で絵を教えてる時は、ボクの好きな油彩画で、ちょうど良い。

水彩画も、また味わいあって良いけど、海の中で描くと、水彩画だと、にじみやすい。

油彩画は、水にも溶けないから、小学生も絵を描きやすい。


でも、水彩画の味わいをめっちゃ好きな小学生もいる。ボクは、そういう小学生には、その子の好きな水彩画の技法を尊重してあげて、その子の個性を伸ばしてあげるように心がけている。


中学や高校の美術の授業の時には、なるべく、みんなで美術館に行って、本物の絵を見せるようにしている。

授業でも、世界中の美術史の話もして、美術の凄さ、面白さをわかってもらえるようにしている。

そうして、それぞれの絵を描いていってほしいなあと。




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