第4話

一瞬、フワーッと真っ白い霧に包まれた。

でも、また、すぐ、もとの善光寺の景色に戻った。

集合場所に着いたら

「あやめさん来ました~」

って中学の同じクラスの女子の声、聞こえてきた。

「これで、揃ったわね~」

って先生に言われて、みんなでバスに乗りこんだ。

「中学に帰るわよ~」

バスは、フワッと浮きあがって、空を飛びだした。

「ええーっ?なんで?なんで空、飛んでるのーっ?」

って、みんなを見たけど、みんな、当たり前の顔をして、窓からの景色を見たりしている。

空をピューと飛んで、中学に帰っていった。


家に着いたら

「お姉ちゃん、おかえり~」

って空里に言われた。

「ただいま~」

って返して、ボクの部屋に入った。


部屋には、着物姿の可愛い女の子、座ってた。

「あっ、こんにちは」

って、あいさつしたら、その女の子も

「こんにちは~」

って、あいさつしてくれた。


「はじめまして」

って言ってみたら

「はじめてじゃないわよ。毎晩、あなたのところに来てたわよ」

「えっ?もしかして、霊の女の子?」

「かえです。よろしくね」

「あっ、かよちゃんですね。よろしく~」

「ちょっと友達と交信するねっ...あっ、もしもし、かえだよーっ!うんっ、そうそう、そうなの...じゃ、またね~」

かえちゃんだったのかって思って

「かえちゃんなんですね!よろしく」

「香る絵と描いて香絵だよーっ」


「あっ、そうだ!空里も呼んでこよっ!」

って思って、空里の手をひっぱって、部屋に連れてきた。

「どうしたの?」

「ほらっ、香絵ちゃんだよ!空里も、あいさつしとけば?」

「あーっ、あやめっち!部屋の霊の女の子なんでしょ!部屋の子じゃなきゃ見えないんだよ!」

「えーっ、そうなの?知らんかった」

「なんとなく、いるのは感じるけどね」

「あっ、そうなんや!感じはするんや!」

空里は、今度は、ボクの手をひっぱって、空里の部屋に連れていった。

「ほらっ、しおりちゃんだよ!あいさつして!」

空里に言われて

「あっ、こんにちは。あやめです」

って、あいさつしたけど、誰も見えなかった。

「しおりちゃんも、『こんにちは』って言ってるよ」

「あはは。なんとなく、いる感じはするんだけど」

「お姉ちゃん、ぜんぜん違うほうに、あいさつしてたけど」

「やっぱり部屋の子にしか、見えないんやな~」

ボクは1人で、自分の部屋に戻った。

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