第146話 その後

「あの2人、上手くいくといいですねー」


「ベリーナさんは私達のような仲のいい夫婦になると意気込んでいましたから大丈夫ですよ。きっと」


エレノア達は、泊めてもらっている間にベリーナと仲良くなっていた。


あの騒ぎの後、ベリーナと店員の彼氏は、ヘルネルに、ベリーナとの結婚について頭を下げた。


もしもこれ以降に問題が起こった時は、ベリーナと共に、家族として共に戦いたいと思ったのだそうだ。


今回は、蚊帳の外で見ていることしかできなかったから、ベリーナと、大切だと思えるあの店とヘルネルと奥さんの助けになりたいと思い、ベリーナにプロポーズをして、2人でヘルネルに頭を下げた。


2人の仲を知っていたヘルネルは、これからは、店員ではなく後継ぎとしてビシバシ鍛えると快く受け入れたのであった。


そしてヘルネルは、今回の事件はムツキが居なければどうにもならなかったと、お礼を言われた。


今回ムツキがしたやり方はスキルに任せた裏技だ。


普通の人ではできないし、ムツキが居なければ結末はなかっただろう。


本来なら成功していた目論見だったのだから、逆にルノモンは運が無かったと言えよう。


あの店は、あの街で唯一の商店になったのだから繁盛するだろう。


旅の帰りにも寄る約束をしているから、その時にどうなっているかも楽しみである。


「でも、申し訳ないけどやっとみんなでお料理ができますね!」


エレノアが笑顔で言ったのを聞いて、シャーリーも、アインも、ムツキも笑顔で頷いた。


街にいる間はヘルネルの奥さんが料理を作ってくれていたので、みんなで料理を作る機会はなかった。


ムツキ達が話していると、御者がノックして馬車の中に合図を送ってきた。


ムツキが返事をすると、御者は予定よりも長く馬車を走らせてもいいかという相談であった。


どうやら、馬達が久々に走れるのが嬉しそうで、まだまだ走りたそうにしているそうだ。


ムツキはその報告を聞いて、予定よりも長めに走る事を許可する。


勿論、野宿の準備や食事の準備をしなくてはいけないので限界があるが、時間が許す限り、元気な馬達は嬉しそうに馬車を引くのであった。


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