第126話 翌日の祝福
披露宴が終わった次の日、ムツキ達はエルフの里の近くにあるナーラの住む場所にやって来た。
ボロネとペトレになって来たのだが、その場所にはバインミィとバルバレスコがやって来ていた。
「バルバレスコが来ても森は燃えないんだな?」
「ふふふ、私が燃やすか燃やさぬかは私の自由だ」
ムツキの疑問にバルバレスコは微笑ましそうに目を細めた。
エレノアやシャーリー、アインは幻獣の集まりに緊張している様だ。
言葉が途切れた所で、この場所に着いた時に何処かへ言っていたピリカが戻ってきた。
そして何処かで作って来たであろう花飾りの冠をムツキ達4人の頭に乗せた。
妖精が見えないエレノアとシャーリーは突然頭に乗せられた事に驚いたが、ムツキが銀妖精のピリカがやったと教えると笑顔で「ありがとう」と言って笑った。
「では、我等が
花飾りの冠が乗せた事を合図にする様にバルバレスコが号令を取ると、集まった幻獣達が頭を下げた。
ムツキは慣れているが、エレノア達は慣れていないので恐縮してしまう。
人がドラゴンやベヘモス、フェニーチェなどの幻獣種に祝福される事などない為、恐れ多いと思ってしまうのは仕方のない事だ。
バルバレスコ達が頭を上げると、すぐにバルバレスコが興味深そうに頭をグイッと出して、覗く様に質問をした。
「私の石がその様に輝くのか。不思議であるな」
バルバレスコにもらった青い石をこの世界には無い加工法のブリリアントカットで加工した物は、森の木漏れ日を受けて幻想的に輝いていた。
「張り切って加工しました。宝石が一番輝く加工法なんです。 だけど、バルバレスコも私の配下になるんですか? バルバレスコ位長命なら私の下に降らなくてもいいんじゃないですか?」
前回会った時にはその様な話はなかったので、ムツキはバルバレスコに質問をした。
「私は長く生きているだけでムツキの強さには敵わぬし、ムツキの人柄は配下に降るに値するものだ。もし私の長く生きた知恵が必要な時はいつでも知恵を貸すと誓おう」
ムツキはバルバレスコの言葉に素直に「ありがとう」とお礼を言った。
幻獣達が人の様に飲み食いをするパーティーをする事はないのだが、口々に祝いの言葉を話したりと色々と話をしてくれる。
ナーラなどは女性だからか、エレノア達と仲良く話している。
「ムツキよ、我等はお主の子が産まれた時にはそれぞれの加護を与えたいと考えている」
人も幻獣も、結婚の後にする話は子供の話になる様である。
昨日初夜を迎えたエレノアも、今日、明日に初夜が控えているシャーリーとアインも、その話を聞いて頬を赤く染めるのであった。
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