第125話 男性陣の思い
「ムツキよ、心配していないがエレノアの事よろしく頼むな」
シュナイゼルがそう言ってグラスを軽く持ち上げた。
「はい」
ムツキはそう返事をして自分のグラスをシュナイゼルのグラスに軽く当てた。
「ふふふ、では私も」
そう言ってマルグリッドもグラスをムツキとカチャンと合わせ、それにアグニールも続いた。
身内だけのパーティーで、男性陣は幸せを感じながら楽しそうに女性陣が話す光景を見る。
「しかし、ムツキのセンスは素晴らしいな。エレノア達のドレスもそうだが、エリザベートの物もだろう? 社交界のドレスとは違ってとても似合っている」
「シャルノアもです。ムツキ君には感謝ですね、とても綺麗だ」
シュナイゼルの言葉に、マルグリッド伯爵は酔っているのか顔を赤くしながらそう呟いた。
「ムツキ殿、その、今度は私の妻も連れて来ても良いだろうか?」
アグニールは、そう言って2人を羨ましそうに見た。
この場ではアグニールだけアウェイな感じが否めない。
しかし、いくら身内だけと言ってもシュナイゼルと同格のアグニールは出席しない訳にはいかない。
ただ、あまり関わりの無いアグニールの妻は結婚式の後はここには来ずに用意された部屋へ戻っている。
だからだろう。少し寂しそうに一歩引いた位置にいたのは。
「はい。家族ぐるみの付き合いとして今度家に遊びに来てください。ただし、国とか関係なく、皆が平民のように楽しく過ごす事になりますけど。バーベキューでもしましようか」
「バーベキュー?」
ムツキの提案にシュナイゼルが首を傾げた。
「私の世界のパーティーのようなものです。みんなで外で肉を焼きながらお酒を飲んで楽しく過ごすんです」
この世界には平民でもバーベキューは無いのだろうかなどと考えながらムツキは話した。
大学時代に2度ほど参加しただけだったが楽しかった思い出がある。
それに、バーベキューは幸せな家族行事のイメージもある。
ムツキはまさか自分に3人も妻ができるとは思っていなかったけど、こうして結婚した以上、3人と幸せな家庭を築いていこうと思いながらグラスを傾けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます