第42話とんぼ返り
ムツキはエレノアと一緒に馬車に揺られていた。
ムツキはシュナイゼルの提案を引き受けた後、ムツキなりの行動を起こした。
自分にかかる火の粉を払い落とす為の行動。
ドラゴンの加護を受けるドラゴニア聖国は勇者と盟約を受けたドラゴンという存在が圧倒的強者だから他の国は手を出さないのだ。
戦っても勝てないと分かっているから。
だとすればムツキの加護はどうか?
ドラゴンを跪かせたと言う事実はあれど、その事実を他国や貴族が受け入れてムツキに手を出さなくなるかといえば、答えは否だろう。
シュナイゼルはカインの助言と竜石を結びつけ、事実を受け入れたのだろう。
だとすれば、ムツキに必要なのは実績である。
ムツキに手を出してはいけない。そう思わせる実績。
その為に、ムツキはドラゴニア聖国に向かっている。
ムツキがシュナイゼルに提案した方法はこの世界の人間には思いつかない突拍子もない物だった。
ムツキを他国や貴族に認めさせる手っ取り早い方法。
ドラゴニア聖国、いや、それを守護するドラゴン《ペトレ》にムツキを認めさせ、ドラゴニア聖国をムツキの傘下に加える。
いや、ペトレを傘下に加えると言ってもいい。
その為にムツキは火山に向かっている。
火山に行くのは火山のドラゴン《ボロネ》に会いに行く為だ。
ムツキがポッとドラゴニア聖国にペトレに合わせろと訪れても門前払いであろう。
だからボロネに乗って訪問する作戦だ。
ただ、今のままではドラゴニア聖国、ペトレを傘下に加えるには実力が足りない。
ボロネが言っていたペトレのステータスは平均20万。
今のムツキのステータスでは無謀な作戦である。
しかし、ムツキが次のレベルになれば…
ペトレであろうがドラゴンの魔者であろうが話にならないステータスになる。
魔物を6万体倒すのは普通に考えれば一苦労だが、ムツキには作戦があった。
ムツキとエレノアを乗せた馬車は何のトラブルもなく火山へと向かって行った。
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