第4話

見つけて下さってありがとうございます!


後書きに食事の名称に関する説明があります


――――――――――――――――――――




「起きろー!起床の時間だ!!」




「んぅ...」




朝、騎士の声が聞こえてアメリアは目が覚めた。どうやらこの騎士団寮は朝が来ると、騎士の一人が全員を起こす仕組みらしい。




「.....朝か」




もっと寝ていたいと思うアメリアだったがそうもいかない。食事は食堂で取らなければならないし、何より初日から遅刻するなど言語道断だ。




持ってきていた荷物の中から服を取り出し、急いで着替える。見苦しくない程度に髪を整えたら準備完了だ。




アメリアが食堂に着いた時には、既に大勢の騎士達がいた。女性の騎士もちらほらいる。


食事を取りに行こうと歩いていたアメリアだが、そこでふと、騎士達の視線が自分に集まっていることに気づいた。




(またですか....)




アメリアはどうして自分に視線が集まるのかを知っている。見ない顔ということもあるだろう。昨日来たばかりなのだから当然だ。だが、何よりも視線を集めているのは――




(この容姿は人の視線を集めますからね..)



アメリアのその容姿だ。


月の光をも反射しそうな長い白髪に雪のように白い肌、極めつけはその瞳だ。銀色に近いその瞳は光があたる度、部分部分が虹色に輝く。純白の聖職衣を纏っていることも相まって、とても神秘的な美少女になっているのだ。




女性ばかりがいる教会でさえ、アメリアは視線を集めていたのだ。自分の容姿が整っていることぐらい嫌でも分かる。




アメリアは視線を無視して食事を受け取り、席に着く。初日の朝食は「ハシュナグ」というこの国で一般的に取られる朝食だ。




黙々と朝食を食べていると




「よお、お前新しく来た聖女さんだろ?昨日、門のところにいるのを見たぜ」




黒髪の騎士が声を掛けてきた。人懐こそうな雰囲気で犬のようだとアメリアは思った。




「はい、そうですが」


「なあ、なんで白の聖職衣着てるんだ?他の聖女は黒だろ」




アメリアが着ている聖職衣、その色は黒髪の騎士が言った通り白だ。他の聖女とは違う。これには理由がある。




「私が、不死の聖女だからです」


「不死?へーえ、珍しい能力持ってるんだな!でも、不死と白でなんの関係があるんだ?」


「癒しの聖女や毒消しの聖女は、私達のように死んだら生き返ることはありません。聖女の着ている黒の聖職衣は何者にも侵されることない色、つまり何者にも侵すことが出来ない『死』を象徴しているのです。


対して、不死の聖女は死んでも聖力が尽きぬ限り死ぬことはありません。そのため、『生』を象徴する白を着ているのです。」






――毒消しの聖女と癒しの聖女は『死』を象徴とする黒を


不死の聖女は『生』を象徴とする白を






「そんな決まりがあったんだな!教えてくれてありがとな!あ、俺ラウルっていうんだ。これからよろしくな」


「はい、よろしくお願いします」


「じゃあな!!」




そう言うと、黒髪の騎士もといラウルは別の騎士の所へ走っていった。




(嵐のような人でしたね)




アメリアはそう思うと、食事に意識を戻してまた食べ始めた。




食事が終わったら、この隊のリーダーの元へ行き自分のすべきことを聞く予定だ。







――――――――――――――――――――


最後まで読んで下さりありがとうございました。


拙作ですが、これからも投稿していく予定ですのでよろしくお願いします!!


「ハシュナグ」は野菜スープとパン、それとベーコンエッグのセットの名称だと思って下さい。

食事の名称に関しては本文の中ではなく、こうして後書きに書いていく予定ですので最後まで見ていただけると助かりますm(_ _)m


聖職衣に関する設定は私個人が考えたものですので、本当に物語通りという訳ではありません!!

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