第3話
「アメリアー!おやつ出来たわよ」
「はーい!」
いつかの風景だ。もう戻って来ない日常、戻りたいと願った日々。
「アメリアは本当にこのおやつが好きね」
「うん!だってアメリアはお母さんの作る甘い物が大好きだもん!」
「ふふ、分かったわ。じゃあまた作ってあげる。でも、お父さんやお兄ちゃんの分はちゃんと残してね」
「うん!!」
アメリアには元々、両親と弟がいた。最初から教会で育った訳じゃない。家族と共に過ごした日々は決して贅沢というものではなかったけれど、アメリアにとっては一番大事なものだった。
――――しかし、
「ああぁぁぁぁ―――――!!!」
燃え盛る木造の家、響く絶叫。アメリアが友人の家に遊びに行って帰って来た時だった。
「お父さん!!!お母さん!!」
目に見えたのは、炎が広がり今にも崩れそうな家族の家だった。
必死に家の中へ入ろうとするアメリアを周囲にいる人々が押し留める。大人の力に敵うはずもなく、アメリアはただただ、燃え盛る炎を見ていることしか出来なかった。
▽▼▽▼▽▼
「ハア......ハァ.....」
目を覚ますと着ている寝着が汗でぐっしょりと濡れていた。酷く気分が悪い。久々に悪夢を見たせいだろう。
空はまだ暗い、後数時間は寝ないと明日に差し支える。そう思ったアメリアは水を飲むとベッドに入ってまた目を閉じた。
今度は悪夢を見なかった。
▼▽▼▽▼▽
あの日、家には両親と弟がいた。後から調べてもらって分かったことだが、火がついた原因は母親が使っていた火の魔力が軽く暴走したからだった。
軽い魔力の暴走はよく起こる。魔法を使っている人にはよく起こることだ。
しかし、不運にも暴走した火の魔力は母親自身に燃え移ってしまった。魔力で出来た火は消えにくい。その場にいた父親と弟が火を消そうとするも結局は巻き込まれてしまった。
魔力には適性がある。水に火、土、風の4種類だ。アメリアの家族は水の魔力を持っている人がいなかった。それも事故の原因と言えるだろう。
両親と弟を亡くして1人になったアメリアは教会に引き取られた。
そこでアメリアは知った。『不死』の能力がどんなものであるかを
――『不死』の能力――
聖力がある限り何度でも生き返ることが出来る。そして、自身が生き返る時に使う聖力の10倍を、死後10秒以内に使えば、その人を生き返らせることが可能となる。
これを知ったアメリアはこう考えるようになった。
―――救えたのに救えなかった罪を償わなければ、と
それからアメリアは、積極的に聖女の訓練に参加するようになった。
『不死』の聖女は痛みに慣れておかなければならない。そうしないと死ぬ時の苦しみに耐えられなくなるからだ。
耐え難い痛みに何度も泣きそうになった。しかし、しばらくすると痛みは感じなくなっていて、死ぬ瞬間に少しの苦しみを味わうだけで済んだ。
そうして、訓練を重ねたアメリアは成人すると共にこの騎士団にやってきたのであった。
――――――――――――――――――――
もっと詳しいことを書きたかったのですが、私の文章力不足です。すみませんm(_ _)m
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