第21話 闇のゲーム

 最初のババ抜きが終わった。



 「や、やった!!」


 「くっ」


 1位は俺でビリは楓となった。


 「ふへへ、恨みっこなしだよー。さて、何が出るかなー」


 楓がピンクのカードを引く。


 「1位がビリの人の魅力的なところを言うんですって!」


 「な、なんか正攻法で恥ずかしいな」


 楓とは最近からの付き合いだが、ブレーキがたまに壊れてる以外は良いやつだ。


 「優しくて、とからつまらないのは無しですからね?」


 せ、先手を打たれた!! えーと、その他だとこれくらいしか思いつかない!!


 「……抱きつかれると良い匂いがして、肌がすべすべで気持ちいいところ?」


 どうだ!?


 「夏樹先輩、具体的すぎて気持ち悪いです。」


 麗華ちゃんポイントは駄々下がりだー!!


 「ひ、ひどい! 恥ずかしくてまともに判断できないんだよ! ごめんな、楓」


 「ううん! これで、肉体的アプローチが有効だってわかったから!」


 なんだか楓さんのブレーキがさらにガバガバになってしまったような。


 「じゃあ第二回戦だー!」

 

 水野がカードを配ってくれる。




 「お、今度は私だね」


 第二回戦は1位がまた俺で、ビリが水野になった。


 「カードを引くよー……っ!!」


 水野がカード引いてから顔を赤くして固まっている。


 「なんて書いてあったんだ?」


 水野はフリーズしてるし、何を引いたのか近づいて確認させてもらおう。

 

 「ごめん!」


 近づいた瞬間、気づいた時にはほっぺたにチューをされていた。


 「へっ!?」


 「あわわわわわわわ」


 楓も麗華ちゃんもパニックを起こしているようだけど、1番は俺の頭の中だ。


 「何やってるんだ水野!? そんな無理しなくても」


 「べつにー無理じゃないもん。それより感想は?」


 水野は少し不貞腐れた様子だ。


 「さ、最高でした」


 「ならよろしい!」


 水野が満面の笑みでこちらを見ているが、麗華ちゃんの顔が死ぬほど怖い。


 「もう1回、やりますよね?」


 「は、はいぃ」


 俺なんかが到底体験できないような、嬉しくてたまらないハプニングがたくさんあったのに、なんだか冷や汗が止まらない。


 「じゃあ配りますよ?」


 「えーと、一位は麗華ちゃんでビリが楓だね」


 「な、な、な、な、なにやってんですかー!!!」


 麗華ちゃんが長くて綺麗な黒髪を振り乱してご乱心だ。でも、ババ抜きなんだからしょうがないじゃないか。それに俺だってイチャイチャしたかったさ!


 「諦めなさい。えーと次のカードは……」


 「うーん、これは結構きついね」


 水野と楓がカードを覗き込んで顔を赤らめている。


 「どれですか? ちゃっちゃっとすませて次の試合を」


 カードを見た途端、タコのように顔が赤くなる麗華ちゃん。


 「こ、これは無理です!」


 「でも罰ゲームだからなぁ」


 なんか女性陣がバタバタしてる間にカードがチラッと見えた。内容は……オカズにしている異性の名前と回数!?!?


 そりゃ、このくらい慌てるわけだ。


 「ぜ、絶対内緒ですからね!」


 「はいはい」


 麗華ちゃんが楓に耳打ちをする。


 「ふんふん、なるほど、意外と多いのね」


 「だ、だめー!! 言わないでー!!」


 お、多いの!? さすがむっつり麗華ちゃん!!


 これはグッとくるものがある。でも、なんだか可哀想だからリアクションもグッと堪えることにした。


 「うぅ〜」


 「ごめんってばー」


 麗華ちゃんを水野がよしよししながら宥めている。


 楓がゆっくりとそばに近づいて耳打ちしてくる。


 「ちなみに私は毎日ですよ? 夏樹せーんぱい」


 


 あぁなんだか、今日は胃が痛いです……




✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎


楓ちゃん大暴走の回!


ここまで読んで頂きありがとうございます!


最近、投稿するたびに反応してくださる方々がいて本当に嬉しいし、元気をもらえてます!ありがとうございます!


しばらくラブコメが続くのです!


コメント、レビューお待ちしております!


いぬお

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る